イベントのKPI設定方法とは?フレームワーク7選も紹介

更新日:2026/04/21

この記事でわかること
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

プロモーションや集客を目的としたイベントを開催することで得られる効果を高めるには、KGI(重要目標達成指標:Key Goal Indicator)やKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)を明確にし、定量的な目標を立てることが重要です。目標が明確になることで方針や内容のズレをなくし、適切な評価・改善につながります。

本記事では、イベントにおけるKPI(重要業績評価指標)の概要や、設定の重要性や具体的な作成の流れ、活用できるフレームワークを解説します。また、イベント運営を円滑に進めるための注意点についても紹介します。

イベントにおけるKPIとは

KPI(重要業績評価指標)とは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と訳されるマーケティング用語です。KGI(重要目標達成指標)が最終目標であるのに対し、KPIは最終目標の達成に向けた過程を計測するための中間目標となります。

例えば、商業施設のイベントにおけるKGIは、「来年度末までにイベントにおける会員登録者数20,000人を達成する」のように、「いつまでに」、「何を」、「どれくらい」を明確にします。一方、KPIは、「3カ月後までに2,000人」、「6カ月後まで6,000人」、「9か月後までに12,000人」のように、段階的な中間目標として定めます。

KPIには数値で表せる定量的な目標と、数値では表せない定性的な目標があります。KPIはKGIを達成するために必須となる具体的な目標である必要があるため、定量的な目標を設定し、適切に評価できるようにすることが重要です。

しかし、イベントの成功や発展のためには、第一想起や熱量なども必要です。そのため、KPIを設定する際には定量的な目標を軸として設定しつつ、定性的な目標についても洗い出し・目標設定をおこなうこともポイントとなります。

イベントにおけるKPIの例

【定量的なKPIの例】

  • ROI(投資利益率)
  • ROAS(広告費用対効果)
  • LTV(顧客生涯価値)
  • CPA(顧客獲得単価)
  • CVR(コンバージョン率)
  • エンゲージメント率(SNS投稿への反応数)
  • 来場者数
  • 会員登録者数
  • イベント申込数
  • 特定のハッシュタグを含むSNS投稿数
  • アンケート数

【定性的なKPIの例】

  • 顧客ロイヤルティ
  • ブランドイメージ
  • 第一想起
  • 推奨度
  • 来場者の熱量

イベントのKPIを作成する際に使えるフレームワーク7選

イベントのKPIやKGIを設定するには、目標を立てるためのフレームワークを活用することが有効です。複数のフレームワークを組み合わせることで、適切な目標設定につながります。

イベントのKPIを作成する際に活用できる、代表的なフレームワーク7選を紹介します。

SMARTの法則

SMARTの法則は、より適切な目標を定めるための基礎的なフレームワークです。

SMARTの法則を構成する5つの要素は下記の通りです。

  • Specific(具体的である)
  • Measurable(測定可能である)
  • Achievable(達成可能である)
  • Relevant(関連性がある)
  • Time bound(期限がある)

1981年にジョージ・T・ドランにより提唱された時点では、SMARTの法則の「A」は、「Assignable(実行者を指定できる)」、「R」は「Realistic(現実的である)」でしたが、現在は上記の要素で紹介されています。また、「R」を「Related(経営目標に関連性がある)」とする場合もあります。

SMARTの法則を5つに限定するのではなく、AやRの異なる要素も含めて総合的に考えて目標を立てるとよいでしょう。

OKR

OKR(目標と主要な成果:Objectives and Key Results)は、達成目標と、そのマイルストーンである成果指標を設定する目標設定のフレームワークです。OKRはGoogleが取り入れているフレームワークとして知られています。SMARTの法則が現実的な目標であるのに対して、OKRは高い目標を設定する点が異なり、60~70%の達成率が適正となります。

参考:Google re:Work – ガイド: OKRを設定する

また、SMARTの目標が全体としての目標であるのに対し、OKRでは個々の目標を設定できます。イベントの達成目標を設定した際に、企画や運営に携わる人員の個々にマイルストーンを設定することで、進捗を管理しつつ、高い目標に近づけることが可能となります。

KPT法

KPT法は、振り返りにより課題の洗い出しや改善のために必要なアクションを明確化するためのフレームワークです。「Keep(継続すべき点)」、「Problem(課題となる点)」、「Try(次に実行すべき点)」の要素で構成されます。

KPT法を実施する際は、結果を振り返りながら、Keep(良かったこと・続けたいこと)、Problem(不満なこと、課題と捉えられること)、Try(工夫したいこと・試したいこと)を洗い出します。

アイデアを出し尽くすフレームワークである「ブレインストーミング」を行うとよいでしょう。さまざまな視点で網羅することが重要なため、イベントに携わった全員が洗い出しに参加できるようにすることが重要です。

ロジックツリー

ロジックツリーは、構成する要素を樹形図のように分解していくフレームワークです。論理的思考の基礎的なフレームワークで、直接的なロジックに基づいてKGIやKPIを設定するための効果的なツールとなる「KPIツリー」があります。

例えば、「売上」がKPIツリーの起点となる場合、構成する要素は「受注数」、「受注平均単価」、「購入頻度・リピーター率」などとなります。それらの構成する要素が直接的にKPIとなるのがKPIツリーです。KGIを構成する要素を漏れなく明らかにすることで、必要なKPIが明らかになるため、目標を設定するための効果的なフレームワークとなります。

なお、KGIを起点としたKPIツリーにおけるKPIは定量的・定性的な目標である必要があります。

MECE

MECEは「漏れ・重複がない」という意味し、論理的思考の基礎となります。MECEの構成要素は下記の通りです。

  • Mutually(相互に)
  • Exclusive(重複せずに)
  • Collectively(集合的に)
  • Exhaustive(網羅的な)

上記を総合して、「漏れ・重複がない」状態をMECEといいます。MECEは構成要素を網羅するために効果的で、各フレームワークを活用するために必須となります。構成要素を考える際に、相互に、重複せず、照合的で、網羅的かを確認しましょう。

また、MRCEはトップから分割している演繹的アプローチ、ボトムから全体像を整理する帰納的アプローチのいずれでも活用できます。KPIツリーを例に取ると、KGIからKPIを導き出す場合は演繹的アプローチ、KPIからKGIを導き出す場合は帰納的アプローチとなります。MECEを活用することで、構成要素を網羅し、漏れなく目標となる指標を洗い出すことにつながります。

SWOT分析

SWOT分析は、強み・弱みと機会・脅威の4つの要素に基づいて分析するフレームワークです。強みと機会はプラス要因、弱みと脅威がマイナス要因となります。SWOT分析の構成要素は下記の通りです。

  • Strengths(強み)
  • Weaknesses(弱み)
  • Opportunities(機会)
  • Threat(脅威)

プラス要因とマイナス要因を明らかにすることで、適切なKGIやKPIの設定に役立てることができます。SWOT分析では外的要因にあたる機会と脅威を分析し、自社の強みと弱みを整理していきます。その際に、課題が明確化され、目標指標となるKGIやKPIが明らかになります。

AARRRモデル

AARRRは、自社の商品やサービスの成長段階を5段階で分析するフレームワークです。「アーモデル」と呼ばれます。AARRRモデルの構成要素は下記の通りです。

  • Acquisition(獲得)
  • Activation(活性化)
  • Retention(継続)
  • Referral(紹介)
  • Revenue(収益)

まず、顧客を獲得します。そのうえで活性化や継続が促されて、収益や紹介につながるプロセスが示されたフレームワークがAARRRモデルです。イベントで考えると、顧客(ユーザー)を獲得し、活性化と継続により、紹介や収益につながると置き換えられ、必須となるKPIを明らかにすることに役立てられます。

イベントのKPI設定に関する流れ・手順

以下では、イベントのKPI設定に関する一連の流れ・手順を紹介します。

KGIを設定する

まずは、イベントの最終的な目標であるKGIを明確にします。KGIが決まらなければ、中間指標であるKPIを設定することができません。KGIとなる指標は、「売上」、「登録者数」など、根本的な目標であり、かつ定量的に評価できることが重要です。例えば、「売上」をKGIとして設定する場合は、具体的な売上高を定める必要があります。

また、KGIを達成する期日を設けることも大切です。年度末、施策開始から1年後のように、具体的な達成期日を定めましょう。期日を設定することで、現実的に必要で具体的なKPIを設定することにつながります。

KFS(重要成功要因)を特定する

KFS(重要成功要因)は、Key Factor for Successの略で、KGIを達成するための重要なプロセスを指します。KFSはプロセス、KPIは具体的な指標であり、密接に関係しています。

KGIが「売上」である場合には、「受注数を増やす」、「受注平均単価を上げる」、「受注平均単価を上げる」などがKFSとして挙げられます。売上を構成する要素を分解することで、KGIを達成するために必須となる要素を明らかにすることができます。KPIツリーを活用し、要素分解をおこないましょう。

KFSに基づいてKPIを設定する

「受注数を増やす」、「受注平均単価を上げる」、「受注平均単価を上げる」などのKFSに基づいて、具体的な数値目標である「受注数」、「受注平均単価」、「購入頻度・リピーター率」などをKPIとして設定します。

KPIは、できる限り定量的な数値目標として設定することが重要です。また、SMARTの法則を活用し、KGIを達成するための現実的な目標を設定することポイントとなります。

加えて、イベントを盛り上げるには、顧客ロイヤルティや、来場者の熱量なども重要な要素となります。KPIを設定する際には、定量的な数値目標を軸としたうえで、イベントの成功・発展に必要となる定性的な目標も合わせて設定するとよいでしょう。

計測方法を決定する

イベントの実施後には、KPIやKGIを達成できたかを確認・評価する必要があります。「売上」がKGI、「受注数」、「受注平均単価」、「購入頻度・リピーター率」がKPIである場合は、個別に計測方法を決定する必要があります。

例えば、「売上」としては、「チケット代」、「物販売上」などが挙げられます。イベントの実施に関して発生する売上を洗い出し、計測方法を明確にすることが必要です。また、イベント来場者の「購入頻度・リピーター率」を計測するには、自社でデジタルツールを保有している場合を除き、マーケティングオートメーション(MA)や、イベント管理ツールの使用が必須となります。KPIにあたる数値を正確に計測する方法を明確にしましょう。

イベントのKPIを設定する際の注意点

以下では、イベントのKPI設定に関する注意点を紹介します。

具体的な目標を設定する

KPIを設定する際には、正確に計測・評価をするために、可能な限り定量的な目標を設定することが重要です。「受注数」、「受注平均単価」、「購入頻度・リピーター率」のように、数値で明確に計測・評価できるKPIを設定しましょう。

また、「来場者の満足度」、「推奨度」などの定性的な目標についても、可能な限り数値で計測・評価できるようにすることが大切です。例えば、「アンケートの満足度評価の平均が4.0以上(5段階評価)」、「SNSのシェア数1万件以上」などのように数値化しましょう。

ただし、アンケートは数値の精度、シェア数は情報が行き届いた数に不透明さがあり、数値目標を達成したとしても、実際は課題や改善点が多くある場合もあります。定性的な目標については成果を鵜呑みにせず、改善を重ねる意識を持つことが重要です。

顧客満足度を下げずに計測する

KPIを増やしすぎたり、計測することが難しかったりすると、イベント運営に携わる人員の負担が増加し、イベントの満足度や顧客ロイヤルティなどの低下につながる可能性があります。また、KPIを計測するためのデータ収集に来場者の協力が必要であると、負担がかかり満足度が低下する場合もあります。KPIを設定する際には、来場者の満足度を低下させずに必要なデータを取得できるようにすることが大切です。

まとめ

イベントを実施することによって得られる利益・成果を高め、回数を重ねるごとに改善しているには、KGIやKPIの設定が不可欠です。要素を漏れなく・重複なく洗い出し、適切に分析したうえで、適切な目標を立てましょう。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

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