観光プロモーションの事例5選!目的・媒体・注意点も解説

更新日:2026/04/13

この記事でわかること
  • 観光プロモーションの事例
  • 観光プロモーションの目的と媒体の使い分け
  • 実施の流れと注意点
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

観光プロモーションとは、地域の観光地や特産品・名産品などの魅力を伝えるための活動を指します。

本記事では、観光プロモーションの参考事例5選、目的、媒体、実施する際の流れ、注意点を紹介します。

観光プロモーションの事例5選

まずは観光プロモーションの成功事例を確認していきましょう。

金沢市|色彩を軸にした視覚プロモーション

金沢市の公式プロモーションムービーは、伝統的な加賀五彩(藍・古代紫・臙脂・黄土・草)をモチーフに構成されています。

加賀五彩とは、加賀友禅に用いられる5つの基調色です。

映像に登場するのは、観光名所だけではなく、四季の自然、歴史的なまちなみ、伝統工芸や伝統芸能、食文化、日常の風景、21世紀美術館のような現代建築まで幅広く映し出されています。テキストに頼らず視覚と聴覚で印象を届ける構成のため、言語の壁を越えやすく、インバウンド向けの発信にもなじみやすいフォーマットです。

珠洲市|音と没入感の観光プロモーション

珠洲市の観光PR動画は、「心が鳴る音がする」というコピーから始まります。約60秒の短い尺の中に、珠洲ならではの「音」が散りばめられています。視覚情報が中心になりがちな観光動画の中で、あえて「音」をコンセプトに据えている点が特徴的です。

動画が伝えているのは、「どこに行けるか」ではなく「何を感じられるか」です。名所を順番に案内するのではなく、珠洲という土地で味わえる空気感や時間の流れを映像と音で表現しています。観光情報を言葉で説明するのではなく、感覚に訴える演出で「行ってみたい」という気持ちを引き出す設計です。

南あわじ市|非日常を切り口にしたプロモーション

南あわじ市の観光PR動画は、冒頭で「東京から2時間」というアクセス情報を提示するところから始まります。海や空の広がりを感じる風景が映し出され、日常から離れた開放的な時間を印象づける構成です。

動画には、風景だけではなく食事を楽しむシーン、花火のカットが加わり、映像全体の特別感や高揚感をさらに引き上げています。そして最後は「非日常な旅に出よう」というメッセージで締めくくっており、視聴者の背中をそっと押すような演出が取り入れられています。

つくば市|自然の豊かさと癒やしのプロモーション

つくば市の観光PR動画は、岩の間を通り抜ける場面や、木々に囲まれた山道を歩くシーンから始まります。自然の風景を見せるだけではなく、自然の中に入り込んでいく感覚を味わえる構成です。映像には、山道を歩く人物やケーブルカーの車内、筑波山神社で静かに手を合わせる人物も登場します。

終盤では山頂から広い景色を見渡す場面が映し出され、映像全体に強い開放感を与えています。最後に「Meet Your Tsukuba」というメッセージが重なり、自分だけの居場所に出会える土地として印象づける締めくくりです。

名古屋市|SNSによるシェアを促すプロモーション

名古屋市の観光PR動画は、写真映え・動画映えする名古屋を見せる構成です。歴史的な建物や街並み、なごやめし、動物園、産業施設、夜景やライトアップまで、ジャンルの異なるカットが短いテンポで次々と切り替わります。

特徴的なのは、スマホで撮影している場面やSNS投稿画面のような演出が含まれている点です。見るだけでなく撮ってシェアするという行動まで視聴者に想像させる設計になっています。歴史資源、グルメ、街歩き、文化施設、夜景と題材の幅が広いため、見る人によって刺さるポイントが異なり、それぞれが投稿のきっかけになります。

観光プロモーションの5つの目的

観光プロモーションの目的については、日本政府観光局が公開している資料に記載がある「トラベルライフサイクル」の概念でわかりやすく示されています。以下で詳しく紹介します。

参考:効果的な情報発信を行うための Facebook運用ガイドライン|日本政府観光局(PDF)

認知・関心向上

認知・関心向上の段階では、まず旅行先として存在を知ってもらう必要があります。

どれだけ魅力的な観光資源があっても、知られていなければ旅行先の候補には入らないからです。認知・関心向上の段階で意識したい発信のポイントは、以下のとおりです。

情報提供の目的認知拡大・興味喚起
訴求・発信内容地域の世界観やイメージの発信
活用メディアYouTube・Facebook・Instagram

訪問を具体的に検討していない層に対して、旅行の候補地リストに加わるきっかけを届けることが、認知・関心向上の役割です。まずは「知ってもらう」ための発信手段やコンテンツを整理するところから取り組んでみましょう。

比較・検討

比較・検討の段階では、他の候補地と迷っている層に対して、訪問の決め手となる具体的な情報を届ける必要があります。

旅行者は「行ってみたい」と感じても、いくつかの候補地を並べて、「どこが自分に合っているか」を見比べる傾向があるからです。選ばれるためには、他の候補地にはない強みや魅力が必要です。比較・検討の段階で意識したい発信のポイントは、以下のとおりです。

情報提供の目的成約への後押し
訴求・発信内容他の候補地より優れる地域の魅力
活用メディア自治体や観光協会の公式サイト・Webマガジン

比較・検討の段階では、印象ではなく具体性で差をつける発信を意識する必要があります。

予約・購入

次は、予約・購入の段階です。行くと決めた旅行者が、迷わず予約できるように導線を整える必要があります。

宿泊施設や交通手段の予約、チケット購入といった手続きでつまずくと、せっかく高まった意欲が途切れてしまうからです。予約・購入の段階で意識したい発信のポイントは、以下のとおりです。

情報提供の目的訪問に必要な基本情報の提供
訴求・発信内容宿泊・交通・チケットなどの予約情報
活用メディア予約サイト・旅行プラットフォーム

予約・購入の段階では、旅行者が調べる手間を感じないくらいシンプルな導線設計を意識する必要があります。

体験・消費

次は、体験・消費の段階です。実際に現地を訪れた旅行者の満足度を高め、滞在中の体験を充実させることが求められます。

旅行者がどれだけ期待を持って訪れても、現地での体験が期待を下回れば、良い印象は残らないからです。体験・消費の段階で意識したい発信のポイントは、以下のとおりです。

情報提供の目的滞在中の快適度・満足度の向上
訴求・発信内容観光・飲食案内、受入環境の整備
活用メディアスマホアプリ・Facebook・Instagram

体験・消費の段階では、旅行者が現地で「来てよかった」と感じられる環境づくりを意識してみましょう。

帰国・再来日

最後は、帰国・再来日の段階です。旅行後の感動や体験を周囲にシェアしてもらい、新たな認知・関心につなげるような効果が期待できます。

旅行者が現地で感じた「楽しかった」「また行きたい」という気持ちは、時間が経つと薄れてしまうため、旅の余韻が残っているうちに、体験をシェアしてもらえる環境を整えておく必要があります。帰国・再来日の段階で意識したい発信のポイントは、以下のとおりです。

情報提供の目的周囲へのシェア誘発
訴求・発信内容シェアしやすいコンテンツの提供
活用メディアFacebook・Instagram・X(旧Twitter)

帰国・再来日の段階では、旅行者が自然と発信者になる仕組みづくりを意識してみましょう。

観光プロモーションを実施する媒体

観光プロモーションを適切に進めるには、媒体ごとの特徴を把握しておく必要があります。ここでは、代表的な5つの媒体を紹介します。

参考:主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率

YouTube

YouTubeは、長尺で情報量の多いコンテンツに向いている媒体です。

映像と音声を組み合わせた表現と相性がよく、じっくり見せるコンテンツに適しています。YouTubeの特徴を整理すると、以下のとおりです。

利用者層全年代87.8%、10〜40代は90%超
主な特徴● 長尺動画にも対応可能
● 映像と音声の両面から現地の雰囲気を伝えやすい
● 総再生時間や視聴者維持率で評価される仕組み
おすすめコンテンツ観光ルート紹介・インタビュー・ドキュメンタリー風動画

観光地の魅力をじっくり伝えたい場合は、YouTube利用を検討してみましょう。

Instagram

Instagramは、写真や短尺動画(リール)を活用し、視覚的に訴求できる媒体です。

保存機能を通じて「次の旅の候補」として残してもらえるため、視覚的な訴求に向いています。Instagramの特徴を整理すると、以下のとおりです。

利用者層全年代56.1%、10〜20代は70%超、女性の利用率が高い
主な特徴● 視覚的な訴求に強い
● 発見タブで非フォロワーにも届きやすい
おすすめコンテンツ映えるスポット紹介・グルメ情報・短尺の観光PR動画

視覚的なインパクトで「行ってみたい」を引き出したい場合は、Instagramの活用がおすすめです。

TikTok

TikTokは、15〜60秒程度の短い動画でテンポよく魅力を凝縮して伝えられる媒体です。

若年層の利用率が高く、短時間で関心を集めたいなどの目的に適しています。TikTokの特徴を整理すると、以下のとおりです。

利用者層全年代32.5%、10代は70.0%、20代は52.1%
主な特徴● 15〜60秒の短尺動画で拡散性が高い
● 若年層の利用率が高く、短時間で関心を集めやすい
おすすめコンテンツ観光スポットのダイジェスト・グルメ紹介・季節イベントの短尺PR

若年層への認知拡大を狙いたい場合は、TikTok活用を検討してみましょう。

Facebook

Facebookは、比較的高年齢層にも接点を持ちやすく、コミュニティ単位での情報発信に向いている媒体です。

利用者層や興味・関心、行動データに基づいてオーディエンスを絞り込める広告機能を備えており、ターゲットを明確にしたプロモーションに適しています。Facebookの特徴を整理すると、以下のとおりです。

利用者層全年代30.7%、30代44.4%・40代39.3%が中心
主な特徴● 他媒体と比べて高年齢層にも届きやすい
● 詳細なターゲティング広告が可能
おすすめコンテンツ地域イベントの告知・リピーター向けの情報発信・特定層への広告配信

特定のターゲット層に絞って情報を届けたい場合は、Facebookの活用がおすすめです。

X(旧:Twitter)

X(旧Twitter)は、情報の拡散スピードが速く、リアルタイムの話題を届けるのに適した媒体です。

トレンド機能によって今まさに注目されているトピックが表示されるため、イベント告知や開催中の様子を発信する場面に適しています。

X(旧Twitter)の特徴を整理すると、以下のとおりです。

利用者層全年代49.0%、20代は81.6%と高い利用率
主な特徴● リアルタイムで情報を届けやすい
● 話題化しやすいテーマやイベント連動型の施策と相性が良い
おすすめコンテンツイベント告知・リアルタイム実況・キャンペーン施策

最新情報をスピーディーに届けたい場合は、X(旧Twitter)の活用がおすすめです。

観光プロモーションを実施するまでの主な流れ

観光プロモーションを始めると決めても、進め方を把握しないまま実施すると、期待した効果が得られない場合があります。ここでは、実施までの主な流れを5つのステップで紹介します。

STEP1|目的とKPIを決める

まずはプロモーションの目的とKPIを明確にしましょう。

目的があいまいなまま進めると、施策の方向性がぶれてしまい、成果の判断もできなくなるからです。目的が定まったら、達成度を測るための具体的な数値(KPI)を設定します。目的とKPIの組み合わせ例は、以下のとおりです。

目的例KPI
認知を広めたい動画再生数・SNSインプレッション数
来訪者を増やしたいサイト流入数・観光案内所の来訪数
宿泊数を増やしたい予約数・問い合わせ数・宿泊施設の稼働率

プロモーションに着手する前に、まずは「何のためにやるのか」と「何を基準に評価するのか」を整理するところから始めてみましょう。

STEP2|誰に来てほしいかを決める

次に、プロモーションのターゲットを具体的に絞り込みましょう。

届けたい相手が明確でないと、発信する情報の内容や媒体選びにも軸がなくなってしまうからです。年齢や居住地、趣味嗜好を絞り込み、その人が今どのような情報を求めているかを想像してみましょう。

ターゲットを具体的に絞り込むことで、発信すべき情報と届ける媒体が自然と定まります。まずは「誰に来てほしいか」を一人の人物像として考えるところから取り組んでみましょう。

STEP3|コンテンツを企画する

ターゲットが決まったら、届けるコンテンツを企画しましょう。

ターゲットが求めている価値と、その土地ならではの強みが重なるポイントを見つけ出すことで、響くコンテンツの方向性が見えてきます。あわせて、コンテンツの形式もターゲットに合わせて選ぶ必要があります。形式ごとの特徴を整理すると、以下のとおりです。

形式向いている場面
動画現地の空気感や体験をじっくり伝えたいとき
写真視覚的なインパクトで関心を引きたいとき
文章(記事・ブログ)検索経由で幅広い層に情報を届けたいとき

ターゲットの年代や利用媒体によっても、届きやすい形式は変わります。コンテンツ企画では、「何を伝えるか」と「どの形式で届けるか」をセットで考えてみましょう。

STEP4|実施媒体を決める

コンテンツの方向性が固まったら、配信する媒体を選びましょう。

設定したターゲットが日常的に利用している媒体でなければ、どれだけ良いコンテンツを作っても届かないからです。

媒体選びでは、「届けたい相手が利用している媒体」を起点に考えてみましょう。

STEP5|実施・運用・改善を繰り返す

媒体と配信内容が決まったら、実施後の運用と改善に取り組みましょう。

プロモーションは配信して終わりではなく、反応を見ながら調整を重ねることで効果が高まるからです。投稿への反応やアクセス数をリアルタイムで確認し、必要に応じて内容や配信タイミングに修正を加えていきましょう。

プロモーションの成果は、一度の配信ではなく、実施と検証と改善の積み重ねから生まれます。まずは施策ごとに振り返りの機会を設けるところから始めてみましょう。

観光プロモーションを実施する際の注意点

どれほど魅力的なコンテンツを作っても、事前の準備や体制が不十分だとトラブルにつながりかねません。実施前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

地域・観光地の魅力が広く伝わるプロモーション動画を作成する

観光プロモーション動画では、地域の魅力を一つに絞るのではなく、複数の切り口で幅広く伝えることを意識しましょう。

景観だけ、グルメだけといった単一の要素では、地域全体の魅力が伝わりにくいからです。景観・食・文化・体験など、異なるジャンルの素材をバランスよく盛り込むことで、見る人それぞれに刺さるポイントが生まれます。

観光動画を企画する際は、まず地域の魅力を「景観・食・文化・体験・人」などのカテゴリに分けて素材を洗い出すところから始めてみましょう。

媒体の特性に合わせてSNSを使い分ける

SNSを活用する際は、媒体ごとの特性を理解し、目的に応じて使い分けましょう。

SNSごとにユーザー層や好まれる投稿スタイルが異なるため、同じ内容をすべての媒体に同じ形で投稿しても、十分な反応は得られにくいからです。

媒体選びに迷ったら、ターゲットが日常的に利用しているSNSから優先的に取り組んでみましょう。

継続的な運用体制を構築する

プロモーションは公開して終わりではなく、継続的に運用できる体制を整えておきましょう。

反響への対応や数値分析を行う担当が決まっていないと、せっかくの施策が振り返られないまま次に進んでしまうからです。運用が特定の担当者に偏ったり、途中で途絶えたりすると、蓄積されたデータやノウハウを次の施策に活かせなくなります。

まずは「誰が・何を・いつ確認するか」を明文化し、チーム内で共有するところから始めてみましょう。

権利関係とプライバシーに注意する

プロモーションで使用する素材は、著作権や肖像権などの権利関係を必ず事前に確認しましょう。

権利関係の不備は、自治体や企業の信頼を損なうリスクに直結するからです。写真・動画・BGMなど、すべての素材についてプロモーション利用に適したライセンスかどうかを精査する必要があります。 素材を選定する段階で、権利関係のチェックリストを用意しておくと確認漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

観光プロモーションの事例と実施のポイントについて解説しました。各事例で紹介したように、プロモーションの切り口や届け方は地域によって異なります。自分の地域にはどんな強みがあるのか、改めて見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

どれだけ魅力的な観光資源があっても、届け方を間違えれば旅行者の目には留まりません。誰に届けたいのかを明確にし、その相手に合った媒体と表現で発信を続けていきましょう。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。