観光マーケティングの成功事例20選|データ活用からSNS活用、タイアップまで手法別に紹介

更新日:2026/06/25

この記事でわかること
  • 観光マーケティングの代表的な成功事例と施策のポイント
  • データ分析・SNS・イベント活用など手法別の取り組み事例
  • 地域資源のブランディングやタイアップによる集客成功のヒント
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

より多くの観光客を誘致するために戦略的な施策を打ち出すのが、観光マーケティングです。ターゲット層のニーズにより明確に応えられるため、満足度の向上やリピーターの増加につながります。

本記事では、観光マーケティングの成功事例20選を紹介します。地域経済の成長や観光需要の拡大を目指す方は、ぜひ参考にしてください

※本記事に記載の情報は2026年6月時点のものです。公式サイトにて最新の情報をご確認ください。

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データ分析を活かした観光マーケティングの成功事例5選

以下では、アンケートやAI解析で得たデータを活用する観光マーケティングの成功事例を紹介します。

【愛知県】あいち「ツウ」リズム

愛知県では、観光コンテンツに付加価値をつけるため、リサーチ会社と協力して来訪者の属性や消費額の推移を分析し、ニーズや課題を洗い出しました。リサーチをもとにWeb広告を配信し、さらにその配信結果から重点的に訴求すべきジャンルを分析しています。発信する観光資源の優先順位を明確にすることで、来訪意欲を高めています。

この事例のポイント

  • 観光資源に付加価値をつけるため、旅行者のニーズや課題を洗い出す
  • 重点的に取り扱うジャンルを明確にして来訪意欲を高める

公式サイト:あいち「ツウ」リズム

【神奈川県】横浜市中華街

横浜市の「横浜中華街発展会協同組合」では、人の流れをAIで分析するシステム(人流分析プラットフォーム)を活用し、コロナ禍で減少した観光客の呼び戻しに取り組んでいます。

来訪者の性別や年代、通行量をエリアごとに把握し、イルミネーションやスタンプラリーなど、特定のターゲットに合わせたイベントを企画しました。

2021年度は約866万人に落ち込んでいた来訪者が、2024年には約1657万人まで回復しています。

この事例のポイント

  • 大量の位置情報データ(ビッグデータ)を活用して来訪者の属性や行動をエリアごとに把握
  • ターゲットに合わせたイベントを企画し、ユーザーフレンドリーな街づくりを行う

公式サイト:横浜中華街発展会協同組合

【静岡県】熱海市 意外と熱海

ピーク時には年間500万人以上が訪れていた熱海市ですが、2011年には半分以下に減少しています。再び活性化するために行った観光客アンケートでは、「意外と良かった」という控えめな評価が多数でした。そこで、熱海市を中心に観光業界6社で取り組んだ観光プロモーション事業が「意外と熱海」です。

若い女性を新たなターゲットに食やレトロな街歩きをPRし、2015年には年間の宿泊者数を約300万人まで回復させました。

この事例のポイント

  • 来訪者にアンケートを実施して現状を把握
  • 熱海で有名な「温泉」をあえてアピールせず、若者をターゲットにした地域の魅力をPR

公式サイト:意外と熱海

【長野県】松本市観光ビジョン

松本市では、市の観光の目指す姿を設定するため、観光入客数やリピーター率、外国人宿泊者数などのデータを把握し、観光資源や課題を見直しました。その上でワークショップを開催し、市民の意見を取り入れながら方向性を検討しています。

その提案を市の職員が体験することで、松本市のファン作りや多様な旅行者の受け入れなど、市全体が一体となった課題解決の施策を立案しています。

この事例のポイント

  • 観光客数やリピーター率を分析し、観光資源や課題を見直す
  • トップダウンではなく、市全体が一体となって施策を立案

公式サイト:松本市観光ビジョン

【沖縄県】おきなわ観光地域カルテ

沖縄観光コンベンションビューローは、位置データを活用して地域ごとの来訪者数や属性、滞在時間などを分析するツールを開発しました。毎月来訪傾向を読み解くレポートも公開し、他県の観光地とも比較しながら多角的に人流推移を把握できる仕組みを整えています。

誰でも無料でデータにアクセスでき、混雑の分散や空白時間帯のコンテンツ強化など、各地域でそれぞれの課題解決に活かされています。

この事例のポイント

  • 地域ごとの来訪者数や滞在時間を分析して人流推移の理由を推測
  • 無料でアクセスできる環境を整え、各地域がそれぞれ課題解決に取り組む

公式サイト:おきなわ観光地域カルテ

従来の枠に捉われない、ユニークな地域プロモーションのヒントを探していませんか?アドベンチャーツーリズムやDX活用など、他自治体での「成功パターンをまとめたお役立ち資料」をご用意しました。記事の続きとあわせて、施策検討の材料としてお役立てください。

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イベントを活用した観光マーケティングの成功事例3選

以下では、イベントを活用した観光マーケティングの成功事例を紹介します。

【熊本県】熊本城 武士の魂

熊本市と熊本国際観光コンベンション協会は熊本城を舞台に、歴史上の人物に扮したキャストが登場する没入感のあるイベントを開催しました。演舞などステージパフォーマンスのほか、大人数参加型のアクティビティ「チャンバラ合戦」も実施され、エンタメ性の高いイベントはSNSでの発信につながり、幼少期からインターネットやスマートフォンに親しんで育った若い世代(デジタルネイティブ世代)もお城を訪れるきっかけとなりました。

この事例のポイント

  • お城を見る体験に没入感のあるコンテンツを加えた取り組み
  • 「チャンバラ合戦」など参加型のコンテンツを用意
  • エンタメ性の高いイベントで若い世代がお城に足を運ぶきっかけを作る

公式サイト:熊本城で会おう 武士の魂 mononofu no chikara 2026「最終章」

【長野県】野沢温泉謎めぐり 野沢温泉音めぐり

野沢温泉郷めぐり実行委員会では、夏季に謎解きを実施し、スキー客中心の季節偏重型観光からの脱却を目指しています。村を巡りながらヒントを探す周遊型の謎解きイベントで、滞在時間の向上や客単価の増加を図りました。

同時に音声による観光ガイドで野沢温泉の魅力を伝え、記憶に残る旅を提供してファンの獲得につなげています。

この事例のポイント

  • 季節偏重の観光から脱却するため、オフシーズンに謎解きイベントを開催
  • 周遊型のイベントで滞在時間の向上や客単価の増加を図る
  • 音声による観光ガイドで地域の魅力を発信

公式サイト:野沢温泉音めぐり 野沢温泉謎めぐり

【新潟県】大地の芸術祭

NPO法人「越後妻有里山協働機構」が、新潟県・越後妻有エリアで3年に1度開催しているのが「大地の芸術祭」です。各地に過疎集落の空き家や棚田などを活用したアート作品を展示し、作品を巡る中で里山の風景や雪国の食文化の魅力を伝えています。

初年度の2000年は153作品、約16万人動員でしたが、2024年には312作品、約54万人動員と着実に規模を拡大しており、地域づくりの形として国内外から高い評価を得ています。

この事例のポイント

  • 過疎地域の自然景観を活用したアート作品を展示
  • 点在するアート巡りを通して地域の魅力を伝える

公式サイト:大地の芸術祭

観光資源を活かした観光プロモーションの成功事例4選

以下では、地域の観光資源を見直し、ブランディングすることで成功した観光プロモーションの事例を紹介します。

【和歌山県・三重県・奈良県】ターゲットを見直した熊野古道

2004年に世界遺産に認定された熊野古道ですが、ツアー等で短時間滞在の来訪者がほとんどでした。そこで、田辺市熊野ツーリズムビューローは、本当にファンになってくれる層の集客を目指し、インバウンドに目を向けました。

英語のWebサイトやガイドブック、海外からの旅行者向けのプログラムなどを整えたところ、2011年には年間1200人ほどだった外国人宿泊者数が、2018年には約4万4000人に増加しています。

この事例のポイント

  • 短時間の滞在では魅力が伝わらないため、本当にファンになってくれる層の集客を目指す
  • インバウンド需要に注目し、海外からの観光客を受け入れる環境を整える

公式サイト:田辺市熊野ツーリズムビューロー

【長野県】阿智村 星空をブランド化

地元住民も「この村には何もない」と感じていた長野県南信州地域の阿智村ですが、地域住民で観光資源を洗い出し、星空の美しさに焦点を当てました。2006年には環境省が「星が最も輝いて見える場所」1位に認定し、徐々に人気を高めています。

2012年にスタートした「天空の楽園 日本一の星空 ナイトツアー」の来訪者は、初年度は6500人ほどだったものの、2024年度には13万人を見込めるようになりました。

この事例のポイント

  • 衰退していく地方自治体で、地域住民が協力して観光資源を洗い出す
  • 何もないことを逆手に取り、美しい星空をブランド化

公式サイト:~日本一の星空の村 長野県阿智村~南信州 昼神温泉公式観光サイト

【長野県】白馬村 グリーンシーズンの活用

白馬村観光局では、グリーンシーズンならではの絶景や涼しい気候に着目し、景観を楽しめるカフェテラスや巨大ブランコなど、スキー需要の高い冬以外にも楽しめるコンテンツを充実させました。

「パンプスを履いた女性でも楽しめる」と来訪のハードルも下げたことで、カップルやファミリーなど若い世代の来訪が増加しています。2025年のグリーンシーズン(4~11月)の来場者は約25.6万人と、過去最高を更新しました。

この事例のポイント

  • オフシーズンの来訪を促し経済の安定化を図る
  • グリーンシーズン向けのアクティビティの整備
  • 来訪のハードルを下げて来訪者の全年齢化を図る

公式サイト:白馬村

【香川県】うどん県として名物をアピール

香川県では認知度の向上を図るため、うどんの生産・消費とも全国トップであることに着目しました。2011年10月に香川県出身の俳優・要潤さんを起用したプロモーションを開始し、「香川県は、うどん県に改名します」とユニークなアピールで「うどん=香川県」のイメージを定着させています。

多くのメディアに取り上げられ、うどん以外の県産品も多く紹介されるなど大きなPR効果を生みました。

この事例のポイント

  • 県の特産品をユニークな方法でアピールし、イメージを定着させる
  • 県にゆかりのある俳優を起用したプロモーションで認知度を上げる

公式サイト:うどん県旅ネット

SNSやWebメディアを活用した観光プロモーションの成功事例4選

以下では、SNSの活用やWebメディア、動画を使ったPRなど、情報発信を利用した観光プロモーションの成功事例を紹介します。

【香川県】三豊市 日本のウユニ塩湖

元々は地元の海水浴場だった香川県三豊市の父母ヶ浜ですが、SNSの投稿をきっかけに絶景スポットとして話題になりました。干潮時の夕暮れには、ビーチに空が映る絶景が現れるため、空が水面に映り込む絶景で知られる、ボリビアのウユニ塩湖になぞらえて「日本のウユニ塩湖」と称されるようになりました。2010年には年間約5500人だった観光客数は、数年後には約100倍の51万2000人に増加しています。

一過性のブームで終わらせないため、官民連携して宿泊施設の整備や飲食店の開業を推進し、今なお年間50万人以上が訪れる人気の観光地へと成長しました。

この事例のポイント

  • 地元の何気ない海水浴場が、写真映えすると取り上げられる
  • 周辺の宿泊施設や飲食店を整備して継続してファンを呼び込む

公式サイト:三豊市 観光交流局

【新潟県・福島県】全国屈指の秘境路線 JR只見線

雄大な自然の中を走るJR東日本の只見線は、2015年に中国のSNSで「世界で最もロマンティックな鉄道」と紹介されたことがきっかけとなり、中国からの来訪者が増加しました。写真家の星賢孝氏がFacebookに投稿した写真も香港や台湾、タイで大きな話題となり、アジア各国から多くの観光客を呼び込んでいます。

2011年の豪雨によって一部不通となった際は、赤字路線のため復興は困難とされましたが、鉄道の線路などのインフラを自治体が管理し、運行を別の事業者が担う「上下分離式」を導入し2022年に全線復旧しています。

この事例のポイント

  • 秘境感のある路線を前面に打ち出したことで、海外からの来訪者が増加
  • 観光資源を守るため、上下分離式を導入して全線復旧させる

公式サイト:只見線ポータルサイト

【広島県】おしい!広島県

広島県では、観光資源が多くありながらも十分に知られていないと、2012年に「おしい!広島県」とやや自虐的なプロモーションを開始しました。広島県出身のタレント・有吉弘行さんを起用した動画は話題となり、「YAHOO!映像トピックスアワード2012」で芸能・エンタメ部門1位、総合部門4位を受賞しています。

2024年からは「おいしい!広島県」とキャッチフレーズを改め、牡蠣やレモンなど多彩なグルメをPRしています。

この事例のポイント

  • 魅力が十分に伝わっていない点を自虐的にアピール
  • 知名度のあるタレントを起用して認知を上げる
  • ポジティブなキャッチフレーズに改めて再度PR

公式サイト:おいしい!広島

【神奈川県】葉山町 自治体が町の魅力を発信

神奈川県葉山町の公式インスタグラムアカウントは、フォロワー数4万人以上(2026年6月現在)と、自治体の公式アカウントとしては異例の数字となっています。移住を検討する人や若者をターゲットに、マリンスポーツやグルメなどの写真を投稿し、「#葉山歩き」と独自のハッシュタグを設けてフォロワーの投稿も促しています。葉山に関する投稿に「いいね」するなど、交流も交えながらファンを獲得しているのも特徴です。

この事例のポイント

  • ターゲットを明確にして町の写真をSNSに投稿
  • ユーザーからの投稿も促し、積極的に交流することでファンを獲得

公式サイト:葉山町インスタグラム

タイアップした観光マーケティングの成功事例4選

以下では、アニメや映画、ゲームとタイアップした観光マーケティングの成功事例を紹介します。

【岐阜県】飛騨市 君の名は。

2016年に公開されたアニメ映画「君の名は。」の舞台となった飛騨市では、観光課の職員がSNSで情報を発信し、「飛騨市が舞台の映画」というイメージを定着させました。許可を取れば公立の図書館でも自由に撮影できるなど、聖地巡礼(作品の舞台となった場所をファンが訪れるトレンド)にも柔軟に対応しています。あえてツアーを組まず自由な聖地巡礼に配慮することで地元の人との交流が生まれ、次のファンを呼び込むことにつながりました。

この事例のポイント

  • 映画の舞台であることを発信してイメージを定着させる
  • 聖地巡礼を後押し
  • 自由な散策での交流が地域のファン獲得につながる

公式サイト:飛騨市

【鳥取県】境港市 水木しげるロード

漫画家・水木しげる氏の出身地である境港市では、2003年に記念館を開館しました。駅から記念館を繋ぐ800mの商店街には153体ものブロンズ像が並び、水木しげるロードとして愛されています。

妖怪グッズやグルメも並ぶ商店街は世界観に浸れると人気を集め、ピーク時の2010年には年間約370万人が来訪しました。2025年度も年間200万人近くが訪れる今なお人気のスポットです。

この事例のポイント

  • 漫画家の出身地に記念館を開館
  • ブロンズ像の設置やグルメ・グッズを作成して商店街まるごと観光地化

公式サイト:水木しげるロード

【佐賀県】ロマンシング佐賀

スクエア・エニックスの人気RPG「サガ」シリーズと佐賀県がコラボしたプロジェクトは、2026年で12年を迎える長期的な企画となっています。ラッピングされた電車、マンホール、ポストを各地に常設し、スタンプラリーを開催するなど、訪問者が街を周遊する仕組みで経済効果をもたらしています。

10周年となる2024年には、ジャパン・ツーリズム・アワードや佐賀広告賞を受賞し、ゲームと地方創生の取り組みが大きく評価されました。

この事例のポイント

  • ゲームと地方のコラボレーション企画
  • スタンプラリーやラッピングしたマンホール、電車の常設で周遊する仕組みを作る

公式サイト:ロマンシング佐賀

【山梨県】ゆるキャン△

やまなし観光推進機構が運営する「富士の国やまなし」では、女子高生たちがキャンプをする姿を描く人気アニメ「ゆるキャン△」のモデル地を記載した観光マップを用意しています。

他にも山梨県の伝統工芸や宿泊施設など多くのイベントや施設がコラボし、聖地巡礼が活性化しました。2018~2019年に行われた5つの主な関連イベントでは、8500万円の消費拡大がありました。

この事例のポイント

  • 人気アニメのモデル地がわかる観光マップを用意
  • 宿泊施設や工芸品とコラボして地域の活性化につなげる

公式サイト:富士の国やまなし

まとめ

本記事では、地域の活性化につながる観光マーケティングの成功事例を紹介しました。

データ分析による課題の整理や観光資源のブランド化、SNSやイベントを活用したプロモーションなど、各地域がさまざまな手法で観光を促進する施策を行っています。地域経済が活性化するよう効果的なマーケティングを取り入れてはいかがでしょうか。

※本記事に記載の情報は2026年6月時点のものです。公式サイトにて最新の情報をご確認ください。

最後までお読みいただきありがとうございます。記事で紹介した手法を地域の課題解決に活かすための、実践的なプロモーション資料や相談窓口をご用意しています。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。