着地型観光とは、観光業者ではなく「旅行者を受け入れる側=着地点」の自治体や地元企業が主体となって、体験やツアーを企画する観光の形態です。地域の独自の魅力を伝えられるため、地方創生にも高い期待が寄せられています。
本記事では、着地型観光の事例20選を紹介します。地域の活性化のために着地型観光を企画している方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載の情報は2026年5月時点のものです。公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
「地域の魅力をどう発信すべきか」「観光客の滞在時間を延ばしたい」とお悩みの自治体・観光協会様へ。地域資源に“あそび”を掛け合わせ、人を動かす「地域活性化・観光プロモーション事例集」を配布しています。最新の地方創生ノウハウをぜひご活用ください。
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自治体や地元団体が主催する着地型観光の事例9選

まずは、自治体や地元の団体、NPO法人などが主催する着地型観光の事例を紹介します。
【大阪府】守口市 謎解き宝探し

守口市では、街を周遊してヒントを得ながら謎を解く「謎解きゲーム」を開催しました。ヒントを探す街歩きのなかで、参加者が楽しみながら街の新たな魅力を発見できるのが謎解きゲームの魅力です。江戸川乱歩ゆかりの地ということもあり、それにちなんだストーリーにすることで、守口市の文化や歴史を知ってもらうきっかけにもなりました。難易度が選べるためやりがいもあり、さらなる謎に挑むリピーターも獲得しました。
この事例のポイント
- 回遊型コンテンツにすることで参加者の街歩きを促進した
- ストーリー性をもたせることで、文化・歴史への興味喚起につなげた
- 難易度を設定しリピーター獲得につなげた
公式サイト:謎解き宝探しin守口市
当イベントは株式会社IKUSAが制作を手がけました。
事例記事はコチラ
【岩手県】はなまきグリーン・ツーリズム推奨協議会
花巻市や市の観光協会、農業団体など10の団体でできた「はなまきグリーン・ツーリズム推進協議会」が運営するのが、豊かな農山村や自然を観光資源とした「花巻グリーンツーリズム」です。農村に宿泊しながら農業や林業、工芸などさまざまな体験ができるプログラムで、地元の人々との交流を通して花巻の人々の温かさや自然のすばらしさを伝えています。食の大切さを学ぶ教育的な側面もあり、小中学生などの団体も受け入れています。
この事例のポイント
- 農業や林業・工芸などを通して地域ならではの暮らしを体験価値に変えたプログラムを用意した
- 地元住民との交流を取り入れることで地域への愛着形成につなげた
公式サイト:花巻グリーンツーリズム
【滋賀県】輪の国びわ湖推進協議会
びわ湖を自転車で1周するスポーツサイクリング・ビワイチは、NPO法人や事業者、行政団体が集まる「輪の国びわ湖推進協議会」が手掛けています。行政と滋賀県内外の自転車関連団体、環境団体などがネットワークを形成し、サイクリングのサポート店、サイクリストに優しい宿、写真映えスポットなどを整備・提示し、周辺施設の活性化に繋げています。
絶景を走る爽快感や達成感があり、令和6年度には体験者数が11万人を超える規模のコンテンツとなりました。
この事例のポイント
- 1泊や2泊の宿泊を含む周遊型プランを提案することで滞在時間の延長につなげた
- 達成感を得られる仕組みにすることでリピーター獲得につなげた
- サポート施設を整備することで初心者でも参加しやすい環境を整えた
公式サイト:びわ湖1周・輪の国びわ湖
【福井県】福井市 戦国宝探し
福井市では、国の特別史跡に指定されている戦国時代の遺跡・一乗谷朝倉氏遺跡及び、一乗谷朝倉氏遺跡博物館の周辺で謎解きイベントを開催しました。戦国×宝探しと銘打ち、この地域の歴史背景を盛り込んだストーリーにすることで、一乗谷朝倉氏遺跡の魅力を伝えています。イベント専用の宝の地図を手がかりに、遺跡内の施設や周辺の店舗を訪れる仕組みを作り、参加者が福井市の魅力を再発見できるイベントとなりました。
この事例のポイント
- 土地にゆかりのあるストーリーで魅力を伝え、観光価値を高めた
- 活性化させたいエリアをスポットにして集客に繋げた
当イベントは株式会社IKUSAが制作を手がけました。
事例記事はコチラ
【福井県】鯖街道熊川宿まちづくり協議会
かつて鯖街道の宿場町として栄えた若狭町の熊川宿は、今も古い町並みが残るエリアです。熊川区をはじめ、熊川宿おもてなしの会や熊川宿伝統芸能保存会など6つの団体が町の保存に取り組み、ボランティアの語り部による周辺案内や古民家の宿泊体験と、熊川の歴史や見どころを伝えるプログラムを多数提供しています。暮らしの価値観の変化から若い世代の流入が進み、アウトドア体験施設やカフェなどが相次いで開業して活気を見せています。
この事例のポイント
- 歴史ある街並みやその中での暮らしそのものを地域資源として活用した
- ガイドの周辺案内やアウトドア体験を組み合わせることで滞在型観光につなげた
- 新たなカフェなども開業して若い世代の流入につなげた
公式サイト:熊川宿
【鳥取県】蟹取県ウェルカニキャンペーン
蟹の水揚げ量・消費量ともに日本一なのが鳥取県です。鳥取県の観光戦略課ではその知名度を上げるため、期間中、鳥取県内の対象施設に宿泊すると、鳥取の旬の蟹が当たるというキャンペーンを実施しました。
蟹取県特派員として、地元ゆかりのインフルエンサーがグルメ情報や観光スポットを発信し、蟹料理が美味しい店や温泉地をあわせてアピールするなど、単なるプレゼント企画で終わらずリピーターを獲得できる流れをつくりました。
この事例のポイント
- 地域の強みである「蟹」を前面に打ち出してブランド化につなげた
- インフルエンサーを活用することで観光情報の拡散につなげた
- 宿泊と連動した企画にすることで地域消費の拡大につなげた
公式サイト:蟹取県ウェルカニキャンペーン
【岐阜県】神岡・町づくりネットワーク
撤去に費用のかかる廃線後の線路を、マウンテンバイクのコースとして再利用したのが、NPO法人「神岡・町づくりネットワーク」が運営する「ガッタンゴー!!」です。フレームに固定した自転車で旧神岡鉄道の線路上を走行するというもので、ゆるやかなコースとスリリングなコースが選べるため、幅広い世代に親しまれています。クーポン付きの周辺施設を紹介する冊子も用意し、地域全体の活性化につなげています。
この事例のポイント
- 廃線を再活用することで新たな観光資源として価値を生み出した
- 複数コースを設けることで幅広い年代の参加につなげた
- 周辺施設への送客導線を作ることで地域全体の活性化につなげた
公式サイト:レールマウンテンバイク ガッタンゴー!!
【群馬県吾妻郡長野原町】つなぐカンパニーながのはら
一般社団法人「つなぐカンパニーながのはら」では、八ッ場ダム見学ツアーを開催しています。一般には公開されておらず、普段は立ち入れないダム堤体を公開することで知的好奇心を刺激するプログラムになっています。
ツアーにはダムの仕組みや歴史的な役割を説明できるガイドを付け、迫力ある構造物を見たい人だけでなく、歴史やドラマを知りたい人など幅広い層をターゲットにしているのも特徴です。
この事例のポイント
- 非公開エリアを公開することで特別感のある体験価値を生み出した
- ガイド解説を加えることで学びのある観光コンテンツにした
公式サイト:八ッ場ダム見学
【新潟県】雪国観光舎
一般社団法人雪国観光舎では、日々都会で仕事に追われる人に向けて、雪国でのリトリートを企画しています。新潟県産のお米や地元食材をふんだんに使った雪国の田舎のごちそうを堪能し、地元のお母さんとのんびり話をする穏やかな内容で、里山でゆっくりと心と体を癒せます。
ソロタイムで自分だけの時間を過ごしながらも、地域のつながりや昔ながらの生活が残る津南町の魅力に触れられるプログラムです。
この事例のポイント
- 「何もない時間」そのものを価値として打ち出した
- 地元住民との交流を取り入れることで地域への愛着形成につなげた
公式サイト:雪国リトリート
地元の観光協会が企画する着地型観光の事例3選

続いて、地元の観光協会が企画する着地型観光の事例を紹介します。
【埼玉県】行田おもてなし観光局 チャンバラ合戦
行田おもてなし観光局では、市内の城址公園にてチャンバラ合戦を実施しました。スポンジの刀を使った安全なアクティビティで、運動経験や年齢を問わず誰でも参加できるのが魅力です。忍城の歴史に沿ったストーリーの合戦にすることで、忍城をより多くの人に知ってもらうきっかけにもなり、キャンセル待ちが出るほどの大盛況となりました。
この事例のポイント
- 誰でも参加しやすいルールにすることで参加ハードルを下げた
- 歴史ストーリーを取り入れることで地域理解の促進につなげた
- 体験型イベントにすることでファミリー層の集客につなげた
事例記事はコチラ
【京都府】満足満点旅行企画・萬転
満足満点旅行企画・萬転では、西陣の街中をガイドと歩きながら西陣織の工房を巡るツアーを開催しています。京都のメジャーな観光地を回るのではなく、西陣織の工房に立ち寄り職人の手仕事を間近で見学するツアーで、職人との対話からその想いに触れられる貴重な体験ができます。
足を運んだからこその体験とあって、平成23年には「京都匠の巡礼 着地型旅行プラン」にて最優秀賞に輝きました。
この事例のポイント
- 職人との対話を取り入れることで特別感のある体験価値を生み出した
- 現地でしか体験できない内容にすることで観光価値を高めた
- 有名観光地以外の地域資源を活用することで差別化につなげた
公式サイト:西陣の職人たちと出会う旅ツアー
【九州】九州観光機構
九州観光機構が韓国発のトレッキングのシステムを日本に導入し、立ち上げたのが「九州オルレ」です。オルレとは「大通りから家に通じる狭い路地」を指し、既存の路地や自然など身近な場所をそのままトレッキングコースとして活用しています。参加者共通の目標として、コース内に目印を設置しているのも特徴です。
全コース踏破すると認定証や記念品を授与するなど、達成感を可視化して単発のチャレンジで終わらない仕組みを作っています。
この事例のポイント
- 既存の自然や路地を活用することで大規模開発を行わず観光化につなげた
- 共通ルールや目印を設置することで参加者同士の一体感を生み出した
- 認定証や記念品を用意することで再訪や全コース制覇への動機付けにつなげた
公式サイト:九州オルレ
地元企業が行う着地型観光の事例8選

最後に、地元企業が行う着地型観光の事例を紹介します。
【石川県】ヤマト醤油味噌
日本5大醤油産地のひとつとして数えられているのが、石川県金沢市の大野町です。大野町に本社を置く老舗発酵食品メーカーのヤマト味噌醤油では、発酵のテーマパーク「ヤマト・麹パーク」を手掛け、醤油の製造工程を学ぶツアーや地元食材と麹料理を楽しむレストラン、ショップなど多角的に発酵食品の良さを伝えています。
ネットショップも展開し、来訪後も発酵文化に触れられる仕組みを整えています。
この事例のポイント
- 発酵文化を体験型コンテンツとして観光資源化した
- ツアーやレストランなど飲食・体験・物販を組み合わせることで滞在価値を高めた
- ネット販売で来訪後も顧客との接点をつくった
公式サイト:ヤマト醤油味噌
【京都府】京都丹波ワイン
丹波ワイン株式会社のワイナリーでは、広大なぶどう畑の見学ツアーを開催しています。試飲では品種やビンテージの違いだけでなく、ワイン作りの苦労も伝えながらファンを獲得しています。
地産地消をコンセプトに旬の食材を提供するレストランを併設する他、帰りの運転を気にすることなくワインが楽しめるようホテルと提携したツアーを取り入れるなど、地元企業や農家と連携しているのも特徴です。
この事例のポイント
- 製造工程の見学を通して商品への理解と愛着形成につなげた
- レストランを併設し、地元食材との組み合わせで地域全体の魅力発信につなげた
- ホテルと提携したツアーも企画し、宿泊と連携することで滞在型観光につなげた
公式サイト:京都丹波ワイン
【静岡県】蔵屋鳴沢
伊豆の国市でクラフトビールの醸造販売・製茶直売を行う「蔵屋鳴沢」では、富士山・韮山反射炉、2つの世界遺産のすぐ隣というロケーションの中、広大な茶畑での茶摘みを体験できます。かわいい茶娘の衣装を着て体験できるのも特徴で、若い女性だけでなくファミリー層にも人気です。
併設の物産館では地元の特産品もアピールでき、この地の歴史的背景を知ってもらう機会も提供しています。
この事例のポイント
- 衣装体験を取り入れることで写真映えする観光体験にした
- 2つの世界遺産のすぐ隣という立地を活用することで相乗効果につなげた
- 特産品販売を組み合わせることで地域消費の拡大につなげた
公式サイト:蔵屋鳴沢 茶摘み体験
【長野県】しなの鉄道
軽井沢と長野を繋ぐしなの鉄道では、車両がレストランになった観光列車ろくもんを運行しています。信州の山の幸をふんだんに盛り込んだ料理を提供し、鉄道ファンだけでなくグルメ好きや旅行好きなど幅広い層をターゲットとしました。停車駅ごとにおもてなしを用意することでこの土地の歴史・文化にも触れられ、移動手段としてだけでなく旅の目的となる列車になっています。
この事例のポイント
- 移動時間そのものを観光コンテンツ化した
- 停車駅ごとのおもてなしで、沿線地域の魅力発信につなげた
- 鉄道ファンやグルメ好きなど幅広い層にターゲットを広げた
公式サイト:ろくもん 電車の旅
【北海道】カントリーファーマーズ藤田牧場
牧場体験と合わせてファームステイを提供しているのが、北海道のカントリーファーマーズ藤田牧場です。乳搾りやバター作りなどの牧場体験をはじめ、コテージの宿泊者にはトラクターの試乗も実施しています。「酪農教育ファーム」の認定を受けて中学・高校の修学旅行も積極的に受け入れており、酪農を通して動物との触れ合いや命の大切さを伝えています。
この事例のポイント
- 宿泊と体験を組み合わせることで滞在型観光につなげた
- 酪農体験を通して命や食への理解促進につなげた
- 修学旅行なども受け入れることで継続的な集客につなげた
公式サイト:カントリーファーマーズ藤田牧場
【神奈川県】KMCコーポレーション
工場夜景ツアーの元祖と言えるのが、株式会社KMCコーポレーションが運営する「工場夜景ジャングルクルーズ」です。日本三大工場地帯のひとつ・京浜工場地帯の夜景を運河から眺めるというもので、日本夜景遺産や日本百名月に認定されています。夜景評論家の丸々もとお氏が育成した工場夜景ナビゲーターや豪華クルーザーで付加価値をつけ、乗客の満足度を上げています。
この事例のポイント
- 工場地帯の夜景を非日常的な観光資源として活用した
- 専門ガイドを導入することで体験価値を高めた
- クルーズ形式にすることで高付加価値なコンテンツにした
公式サイト:工場夜景ジャングルクルーズ
【沖縄県】冒険島
沖縄でのアウトドアツアーを専門的に扱う冒険島では、ダイビングやトレッキングなど多彩なプログラムを提供しています。なかでも、沖縄県と鹿児島県でしか見られない貴重なマングローブの中を漕ぎ進む「マングローブカヤック体験」は人気の高いアクティビティです。
エンジンがないカヤックは環境に優しく、参加者も豊かな自然や珍しい生物を目にすることで、自然と環境保全への意識を高めています。
この事例のポイント
- 希少性の高い自然環境を観光資源にした
- 緩やかに進むカヤックは幅広い年代が参加でき、参加者層の拡大につなげた
- 環境保全への関心喚起につながる体験型観光にした
公式サイト:冒険島
【青森県】合同会社西谷 たびすけ
青森県の津軽地方は、全国でも平均寿命が短い傾向にあるとされています。合同会社西谷が運営する「たびすけ」では、そんな一見不名誉なイメージを逆手に取り、津軽人の太く短い人生を体験するという一風変わったツアーを企画しました。
朝から日本酒を飲み、ドロドロスープの煮干しラーメンを食べ、豪雪を体験するというユニークな内容で、津軽らしさを伝えファンを獲得しています。
この事例のポイント
- 地域のネガティブイメージを逆手に取ることで話題化につなげた
- 強いインパクトのある企画名で認知拡大につなげた
公式サイト:短命県体験ツアー
まとめ

本記事では、地元の団体や企業が企画した着地型観光の事例を紹介しました。
豊かな自然や産業、その土地の歴史や文化など、各自治体がさまざまな要素を観光資源とし、多様なプランを提供しています。地元に根付いた文化や生活を観光資源化することで、地域の活性化にもつながります。地域が持つ独自の魅力を発信できるプログラムを企画し、地域が輝く新たな観光を育ててみてはいかがでしょうか。
※本記事に記載の情報は2026年5月時点のものです。公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
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