インバウンドプロモーションの事例18選!SNSや体験価値、インフルエンサー施策などを紹介

更新日:2026/06/15

この記事でわかること
  • インバウンドプロモーションの成功事例18選
  • SNS・インフルエンサー・データ活用による集客施策
  • 訪日外国人に響く体験・文化コンテンツの活用方法
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

日本に訪れる外国人観光客が3000万人を超え、観光は非常に重要な産業となりました。いまや企業や自治体にとって、発展・成長のためには訪日外国人観光客の獲得が必要不可欠です。しかし、どうプロモーションしてよいかわからない、取り組んでも効果が出ないと悩んでいる方も多いでしょう。

本記事では、インバウンドプロモーションについての事例18選を紹介します。SNSやデータの活用、日本ならではの体験・文化の発信、インフルエンサー施策など、さまざまです。

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SNS活用事例5選

宣伝広報の中心となっているSNS。インバウンドプロモーションでも中心的な存在です。観光庁の調査によれば、外国人観光客が出発前に役立った旅行情報源として、SNSを1位に挙げており、インバウンドプロモーションにおいて非常に有効な施策となっています。

参考:観光庁「訪日外国人の消費動向2025年次報告書」(PDF)

岐阜県高山市:インバウンドプロモーションの先駆的存在

岐阜県高山市は、1986年の国際都市宣言を契機に早期から海外に目を向け、多言語HP・マップなどのインバウンド施策を行ってきました。

SNSにおけるインウバンドプロモーションの中心はFacebookで、独自のハッシュタグの使用や頻繁な更新が運用の特徴です。また、アニメ映画「君の名。」の舞台として知られているので、映画で登場した場所の写真を投稿するなどの工夫もあります。コロナ明けからの外国人宿泊客は右肩上がり。去年は97万8000人と大台に迫る勢いです。

兵庫県赤穂市:特産物の動画PR

兵庫県赤穂市は、公式YouTubeチャンネルでインバウンドプロモーションを展開。その投稿動画のなかにある「日本遺産PR動画」は再生回数460万回となっています。

地域の伝統でもある特産品の「塩」を中心に、赤穂の自然や文化を紹介している動画です。4分弱の短いものですが、キッチンバスで町を巡るシーンの数々が豊かな人生をイメージさせる内容で、ストーリー性が心に響きます。セリフがなくても十分な説得力を持たせ、強力にアピールできるのが動画の強みです。

参考:兵庫県赤穂市日本遺産PR動画「Sel de la vie -Traveling is the salt of life-」

沖縄県:東アジア戦略で需要拡大

日本人の観光スポットとして人気の高い沖縄ですが、韓国や台湾といった東アジアに向けたインバウンドプロモーションを展開し、対象の国から注目されています。

沖縄県における国・地域別宿泊者数では、台湾が1位です。沖縄県内のリゾートホテルは、韓国・台湾・香港向けにFacebook広告を配信し、サイト訪問や宿泊予約の増加につながりました

国・地域別の訪日外国人客数を見ると東アジアが6割近くを占め、韓国がトップ、3位台湾、4位香港となっています。また、旅行消費額の多い国・地域では、台湾が2位、韓国が4位、香港が5位。インバウンドプロモーションの対象として東アジアは重要です。

がんこ:中国人需要を狙い打ち

和食料亭チェーンを展開するがんこは、中国にターゲットを絞ったSNSインバウンドプロモーションで成果をあげました。

中国最大のSNS「Weibo」で公式アカウントを運用し、訪日中国人観光客に訴求。店舗を訪れた顧客がその様子をWeiboに投稿するなど、認知向上や情報拡散につながっています。中国はインバウンドにおける大きな層です。そこをピンポイントで狙う効率的な戦略といえるでしょう。

ホテルニューオータニ:ビジュアル戦略

老舗の名門ホテルニューオータニはInstagramを活用したインバウンドプロモーションを展開しています。Instagramは写真や動画などビジュアル面に特化したSNSの特性を最大限に発揮。フォトジェニックなグルメを中心に「映え」で魅力をアピールするやり方です。

また、海外向け専用のアカウントで運用せず、外国人観光客に訴求したい内容の場合に英語の説明文を書き入れるといった形になっています。

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日本独自の体験・文化をPRする事例5選

ここでは、日本ならではの体験や文化を発信するインバウンドプロモーションの事例を紹介します。

近年、どの分野においても重要視されている「体験」。インバウンドでも、見るだけの従来型観光だけでなく、体験・参加できる観光が注目されています。そして、体験型観光のなかでも日本独自の文化に紐づくコンテンツが人気です。

香川県直島:現代アートと日本的旅館

アートの島として知られる香川県直島は、イギリスのBBCが選ぶ「2025年に旅行した場所25選」において日本で唯一エントリーされるほど、世界でも注目されている場所です。

  • 直島新美術館
  • 地中美術館
  • 季禹煥(リ・ウーファン)美術館
  • ANDO MUSEUM
  • ベネッセハウスミュージアム

5つの美術館を中心に、島のいたるところでアートを感じることができる芸術体験で外国人観光客に訴求しています。

この直島の宿泊客は欧米からの観光客が多いこともあり、直島の旅館では欧米圏から顧客ニーズに合わせてサービスを展開しているケースも。正式な和食スタイルで食事を提供したり、地域にこだわった食材を用意したりと、「おもてなし」の心で日本的旅館の魅力をアピールすることがプロモーションにつながっているのです。

石川県金沢市:高付加価値な伝統工芸体験

加賀友禅や金沢箔をはじめとした伝統工芸が多い石川県金沢市。

ヨーロッパ市場を中心に観光振興を行っていますが、インバウンドプロモーションのひとつに「金沢一期一会」という体験プログラムがあります。これは、伝統工芸を受け継ぐ作家から直接工芸を学べるものです。ギャラリーや工房を見学しながら、作家本人から作品や制作工程について話を聞ける内容となっています。

金沢市は、外国人宿泊者数が100万人を超えるなど、インバウンド増加率全国1位とインバウンドで効果を発揮している都市です。

長野県地獄谷野猿公苑:バズがインバウンドを後押し

地獄谷野猿公苑は、露天温泉に浸かる野生のニホンザルで有名な場所です。アメリカの伝説的な雑誌「LIFE」で、雪を頭に乗せながら温泉に入るニホンザルの姿が表紙を飾ったことで、地獄谷野猿公苑の存在が世界的に知れ渡りました。かつて写真でバズったスノーモンキーは、現在、動画コンテンツにおいて100万、200万回再生される対象となっています。

その影響もあり、年間16万人の外国人観光客がこの地を訪れるそうです。インバウンドで成功しているのは、もちろん、偶発的な要因だけではありません。公式HPでは表示が英語に切り替えられる機能を搭載したり、猿たちの来園目安を告知したり、ライブカメラを用意したりと、充実した情報発信を行っています。

岐阜県白川郷:世界遺産の村

山間に佇む世界遺産の村は、日本人にとっても最大級の観光名所のひとつです。「日本の原風景」といったような場所がライトアップされた幻想的な雰囲気がSNSで拡散され、瞬く間に外国人観光客の心を掴みました。ライトの設置には大変な作業が必要で、こういったプロモーションのおかげで年間100万人を超えるインバウンド集客につながったのです。

その一方で、オーバーツーリズムの問題が深刻化。村は、解決策の一環として4ヵ国語で表記されたWebサイトやガイドブックを公開しました。Webサイトには、混雑予想カレンダーや交通ライブカメラなども組み込まれ、混雑の緩和を図っています。また、人数は多いものの写真スポットとして短い滞在で通過していく(日帰り)だけのケースがほとんどなので、白川郷のブランド力を持つ商品の展開や地域資源を活用した体験型観光などに力を入れる戦略も考案中です。

和歌山県高野山:真言密教の精神性と神秘性

真言宗の総本山である高野山は、歴史と伝統と文化が重なり合う世界遺産の地です。欧米圏では禅や瞑想といったマインドフルネスが広く浸透している背景もあり、高野山は訪日外国人観光客にとって人気の場所となっています。

精進料理や宿坊体験を外国人観光客にも開放。短パン、サンダルでもOKです。こういった寛容な態度が多くの「修行者」を集めています。それがインバウンドプロモーションにもつながっているといえるでしょう。

インフルエンサーマーケティング事例5選

ここでは、インフルエンサーとタッグを組んでインバウンド向けのプロモーションを行った事例を紹介します。インフルエンサーの拡散力や影響力を活用し、認知の拡大や観光客の増加につなげる手法です。こういったケースは、特に自治体でよく見られます。

香川県高松市:インフルエンサー100人旅行

香川県高松市では、現地にインフルエンサーを100人集めてプロモーションを行ってもらうイベントを開催しました。集められたインフルエンサーの総フォロワー数は約5000万人。高松市の観光資源をバズらせてもらおうという内容です。

インフルエンサーたちには讃岐うどんづくり体験や地元プロサッカーチームと100対11のサッカー対決、グループに分かれた離島や市内の観光などを体験し、その魅力をSNSなどで伝えました。

兵庫県神戸市:アジア圏に訴求

神戸観光局は、インバウンドプロモーションのために多数のインフルエンサーを呼ぶ事業を展開しました。

招聘したインフルエンサーのなかには台湾の千千(チェンチェン)さんがいて、彼女が紹介した神戸の動画は25万回も再生されました。神戸には中華街もあり、東アジアにとってはわりとなじみのある地域で、台湾や中国からの旅行者も多いです。

招聘されたほかの地域のインフルエンサーは以下のようになっています。

  • 英語圏…「Life Where I’m From(YouTubeチャンネル登録者数170万人)」「Japan by Food(YouTubeチャンネル登録者数12.8万人)」「Jimmy Kim(YouTubeチャンネル登録者数36.8万人)」
  • フランス語圏…「Anne Lataillade(ブログ月間PV数1023万)」
  • 中国語圏…「IVY CHAO(Instagramフォロワー数33.1万人)」「GIANN(Instagramフォロワー数47.6万人)」「貝遊日本(YouTubeチャンネル登録者数14.1万人)」

鳥取県倉吉市:地域資源を世界へ発信

鳥取県倉吉市では、フランス人インフルエンサーを招いて市内の視察を行ってもらいました。欧米で人気のある同県出身漫画家・谷口ジローの代表作が映画化されることもあり、作品の舞台である倉吉市の認知を欧米で高めたい狙いです。

今回のインフルエンサー招聘は、倉吉市の民工芸品である「福光焼」の販路拡大や「地方創生プレミアムインバウンドツアー」の売り込みなど、ヨーロッパのコネクションづくりのためのプロモーション施策となっています。

岡山県:LCCでつながるインバウンド

岡山県は、台湾・中国・香港・韓国・タイ・フランスの6つを重点市場として、インバウンド誘客の推進を行う事業を展開しています。

そのなかのひとつ、台湾に向けた施策として、現地から女性インフルエンサー・Vera(ヴィラ)さんを招き、岡山を観光してもらい、台湾の高雄で開催される岡山県の観光PRイベントで岡山をアピールしてもらうという企画が行われました。

岡山県にある岡山桃太郎空港は高雄と直通しており、新たな訪日観光客の流入が目的です。同空港は台北との路線もあり、台湾の2地域とつながっている空港が中国地方では岡山県しかないというメリットを活かしたい狙いがあります。

Magical Trip:東京の魅力を伝えるローカルガイドツアー

インバウンド向けのローカル体験ツアーサービスを提供するMagical Tripは、その業務を通して大都市のニッチな魅力を海外に向けて伝える役目を果たしています。

新宿思い出横丁というディープな場所で居酒屋巡りをするツナーなど、東京や大阪のナイトツアー・フードツアーなどを展開し、海外旅行者のクチコミサイトで大きな評判となっているのです。

また、アニメオタク在日外国人ユーチューバーと共同開発した「アニメファンに刺さるスポットツアー」を共同開発したり、秋葉原のメイドカフェをフィーチャーしたコンテンツが100万回再生を突破したり、ツアー予約もほかより2倍の申し込みがあったなど、大きなプロモーションの成果を出しています。

【Magical Tripが提供するツアー例】

  • 伏見稲荷秘密のハイキングツアー
  • 渋谷バーホッピングツアー
  • 奈良半日散歩ツアー
  • 錦市場食べ歩きツアー
  • 広島平和散歩ツアー

データ活用事例3選

IoT(Internet of Things…モノのインターネット)などのデジタル技術の進化により、さまざまに集めたデータを分析し、観光のプロモーションなどに活用する取り組みが行われています。

福岡県福岡市:Wi-Fiを活用した観光プロモーション

福岡市では、利便性の向上のために無料のWi-Fiサービスを展開し、拠点を拡大していますが、そのWi-Fiの情報バナー機能と通じて観光やイベントの案内を配信する取り組みがはじまりました。

Wi-Fiの利用状況などのデータを分析し、観光スポットの混み具合などを測定しながら観光コースの提案や観光スポットのおすすめなどを紹介するイメージです。

北海道札幌市:データで観光を活性化

多くの観光客が訪れる札幌市でも、Wi-Fiログデータを活用しながら海外観光客の周遊をサポートする取り組みが行われています。

外国人観光客が公衆無線LAN「Sapporo City Wi-Fi(SCW)にアクセスすると、観光パンフレット「ささっとパンフ」のダウンロードができ、スマートフォン端末の設定言語に合わせたパンフレットを手にすることができるのです。

また、札幌三越で使用されているWi-FiのデータやNTTドコモの外国人観光客がローミング接続した携帯基地局のデータ、SNSから得られるデータなどを合わせ、観光地の滞在時間を分析しながらおすすめスポットの提案を行うなどのプロモーションを想定しています。

沖縄県:統計データ公開

沖縄県では、観光に関する統計データの詳細を公開し、観光プロモーションや観光ビジネス、観光サービスへの活用を促しています。例えば、東アジア圏では台湾の飲食の消費が多いとなれば、台湾人に向けたメニューの開発を行うなど、観光やおもてなしのヒントになります。

また、「地域カルテ」というデジタル観光人流モニタリングサービスも公開されています。これは、県内各市町村で、どの場所にどれくらいの人が来たか、どういうルートで移動しているかなどが、詳細なデータからわかるものです。

【地域カルテの分析切り口】

  • 来訪者数
  • 属性(どこから来たか、性別、年代)
  • 行動分析(どこに行っているか)
  • 周遊分析(どことどこを行き来しているか)
  • 宿泊分析(どこに何人で泊まっているか)
  • 時間分析(どこに何時に来ているか、滞在時間)

まとめ

インバウンドプロモーションの事例について、SNS活用、日本独自の体験・文化、インフルエンサー施策、データ活用の側面から、合わせて18の事例を紹介しました。

プロモーションでは、SNSやインフルエンサーなど「拡散」が重要になることがわかります。また、プロモーションにつなげるための「体験」や「惹き」も必要です。アート(直島)やスノーモンキー(地獄谷野猿公苑)、幻想的な日本の原風景(白川郷)など、外国人が興味を持ちそうな地域資源がある場所は、インバウンドプロモーション成功の大きな強みとなります

その一方で、データというロジカルな方法も有効です。自治体は公共性を活かし、より革新的なデータサービスを生み出すことができる未来が想像できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。記事で紹介した手法を地域の課題解決に活かすための、実践的なプロモーション資料や相談窓口をご用意しています。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。