ショッピングモールの滞在時間を延ばす施策20選

更新日:2026/04/02

この記事でわかること
  • 滞在時間を延ばすメリット
  • 謎解きやワークショップ等の滞在時間を延ばす施策20選
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

ショッピングモールでは、来館者数だけでなく「どれだけ長い時間、心地よく過ごしてもらえるか」が重要です。滞在時間が長くなるほど、買い物や食事、その他のサービスを利用する機会も増え、満足度向上や再来店にもつながります。

本記事では、ショッピングモールの滞在時間を延ばすための具体的な施策を20選紹介します。

ショッピングモールの滞在時間を延ばす重要性

ショッピングモールにおいて来館者の滞在時間は重要な指標の一つです。滞在時間が長くなるほど、ショッピングモール内の店舗に訪れる機会が増え、商品の購買やサービスの利用につながりやすくなります。

実際に、多くのショッピングモールでは、買い物だけでなく、食事や、アクティビティ、さまざまな用事(クリーニングや銀行など)から休憩まで、ショッピングモール内で完結できる環境づくりが整えられています。また、空間設計や動線にも工夫を重ね、疲れたり飽きたりさせない配慮がなされています。

ショッピングモール内での快適で楽しい体験は、より長く滞在したいというという心理を生み出し、滞在時間の延長、購買、サービス利用にもつながります。

ここからは、滞在時間を延ばすための具体的な施策を紹介します。

イベントの開催で滞在時間を延ばす方法6選

特別なイベントの開催は、ショッピングモールに訪れる目的になりやすく、イベント前後の時間で買い物や飲食といった行動へと広がりやすいため、ショッピングモールの滞在時間を延ばす施策としておすすめです。特に、ショッピングモール全体がイベント会場となる「謎解きイベント」や「スタンプラリー」は、楽しさだけでなく、回遊も促せるイベントです。

ここでは、滞在時間の増加に直結しやすいイベント施策を紹介します。

謎解きイベント

謎解きイベントは、参加者が物語の主人公となり、館内を探索しながら謎を解いていく体験型コンテンツです。謎を解くごとに次に向かうべき場所が示されるため、来館者は楽しみながら自然とモール内の複数エリアを回遊することになります。

展示や装飾とは異なり、謎のクリアという明確な目的があることで、途中で離脱しにくく、結果として滞在時間が長くなりやすい点が特徴です。

また、謎の設問や導線を工夫することで、特に訪れてほしい売場や特定のエリアへ意図的に誘導することもできます。普段は足を運ばれにくいエリアでも、謎の一部として組み込めば、自然に立ち寄ってもらうことが可能です。

また、謎解きイベントは、参加数やクリア率、滞在時間といったデータを取得しやすく、イベントの効果測定がしやすい点もメリットです。

ワークショップ

子どもを中心に参加できる体験型ワークショップは、ファミリー層の滞在時間を延ばすうえで効果的な施策です。防災、SDGs、科学などのテーマを取り入れたワークショップなら、遊びながら学べる体験となり、保護者にとっても「参加させたい」という気持ちが生まれます。

ワークショップは、楽しいだけでなく学びの要素があることで、他のイベントとの差別化にもつながります。また、作品を作って持ち帰れるワークショップなら、子どもにとってはショッピングモールでの体験がさらに特別な思い出として残り、満足度も高まります。

また、開始時刻が設定されていることが多いワークショップは、その時間まで滞在する理由を生み出せる点も大きな強みです。開始前の待ち時間や終了後の余韻が、買い物や食事といった行動につながりやすく、結果として滞在時間の増加が期待できます。

活用事例:SDGsアドベンチャー

栃木県にあるショッピングモール「アシコタウンあしかが」では、ゴールデンウィークの期間中、親子で楽しく参加できるSDGsの啓発イベントとして、ショッピングモール内で「SDGsアドベンチャー」を開催しました。

「SDGsアドベンチャー」では、参加者自身が冒険家になって、さまざまなテーマのワークショップを体験していきます。ゴミの分別とリサイクルがテーマの「ポイポイ島」や、再利用がテーマの「ロゼット島」、海がテーマの「フィッシング島」など、小さな子どもから大人まで楽しくSDGsを学べる内容で、親子でSDGsについて考えるきっかけになるイベントとなりました。

これらの島を全てクリアすると、商品としてオリジナル缶バッジを作成することができます。自分の名前や好きな絵を描いたバッジを持ち帰ることができ、思い出作りを軸としてモールの回遊にもつながりました。

関連記事:【開催事例】「SDGsアドベンチャー」アシコタウンあしかが様

活用事例:防災ヒーロー入団試験

神奈川県にあるショッピングモール「ノクティプラザ溝の口」では、屋上で楽しみながら学べるワークショップとして「防災ヒーロー入団試験」を実施しました。

当日は、水の入った消火器で火を消していく射的ゲームや、実際の避難現場でも使われた「新聞紙スリッパ」づくり、瓦礫に見立てた大玉を転がしながらゴールを目指す「瓦礫転がし」からなる3つのブースが多くの参加者で賑わいました。3つの種目を全てクリアできた参加者は「防災ヒーロー」として認定され、オリジナルの缶バッジを作ることができます。

当初150名の集客を目標としていましたが、結果的に200名の集客につながり、イベント参加前後の回遊や、ショッピングモールの滞在時間の増加につながりました。

事例記事:【開催事例】「防災ヒーロー入団試験」ノクティプラザ溝の口様

スタンプラリー

スタンプラリーは、参加者がスタンプを集めながら館内を巡り、スタンプの数によって景品や特典を受け取れるイベントです。スタンプを集める達成感があるため、子どもから大人まで幅広い層が楽しめます。また、スタンプを集めるために自然と次のエリアへの移動が生まれ、滞在時間の増加につながります。

近年は紙の台紙だけでなく、QRコードやGPSを活用したデジタルスタンプラリーも増えており、企画の自由度が高まっています。デジタルスタンプラリーでは、参加者の行動データの取得も可能になるため、施策の効果検証にも活用できます。

また、1日でスタンプを集めきれなかった参加者に対しては、期間延長や追加チャンスを設けることで、再来店を促すこともできます。

イベント参加者への館内クーポン配布

謎解きやワークショップ、スタンプラリーといったイベントに参加してくれた人に、館内で使えるクーポンを配布することで、イベントを体験して終わりではなく、買い物や食事などでショッピングモールを楽しんでもらうことができます。

複数店舗で利用できるクーポンにすれば回遊性がさらに高まり、滞在時間の延長につながりやすくなります。イベントでの体験を起点に、ショッピングモール全体の利用を促す仕組みとしておすすめです。

ポップアップストア

ポップアップストアは、数日から数週間限定で出店する期間限定の店舗です。特に、Z世代にとっては、買い物以上にポップアップストアの存在が来館目的になりやすいといわれています。

18歳から24歳までの497名を対象とした「Z世代の商業施設に関する実態調査」によると、ポップアップストアや催事を目的とした来館は、「買い物」や「飲食」を目的とした来館よりも、滞在時間が長い傾向が見られています。

特別感のある購買体験を軸にショッピングモールでゆっくりと過ごす、という行動を生み出す施策として有効です。

コラボ企画

アニメや漫画、キャラクターなどのIPコンテンツとのコラボ企画は、「ファン心理」を刺激し、来館の動機になるとともに、長時間滞在の効果も期待できます。

展示、フォトスポット、限定グッズ、コラボメニューなどを、ショッピングモール内の複数エリアで展開することで自然な回遊が生まれ、滞在時間が延びる効果が期待できます。結果的に、他の店舗での購買やサービスの利用にもつながるでしょう。

居心地を改善して滞在時間を延ばす方法4選

来館者の滞在時間は、ショッピングモール全体の居心地によって大きく左右されます。休憩しづらい・疲れやすいといった導線設計の場合、買い物の途中でも早期離脱につながってしまいます。快適さや居心地を重視した空間設計や環境づくりは、ショッピングモールの滞在時間を延ばすうえで欠かせません。

ここでは、来館者の疲れやストレスを軽減する施策を紹介します。

休憩スペースの設置

ショッピングモール内に十分な休憩スペースを設けることは、滞在時間を延ばすうえで欠かせない要素です。歩き疲れたときに気軽に座れる場所があるだけで、もう少し見て回ろうという気持ちが生まれます。また、電源や充電スポットを備えたスペースであれば、スマートフォンの充電や簡単な作業ができ、時間を気にせず滞在しやすくなります。

買い物と休憩を無理なく繰り返せる環境を整えることが、長く滞在してもらうためのポイントです。

キッズスペースの設置

キッズスペースは、ファミリー層の滞在時間を大きく左右する要素です。子どもが安心して遊べる場所があれば、保護者は買い物や食事を落ち着いて楽しむことができます。

また、飲食店エリアに簡易的なプレイスペースを設けることで、順番待ちの時間を有効活用できます。待ち時間が原因の離脱が起きにくくなり、家族全体が快適に過ごせる環境が、滞在時間の増加につながります。

喫煙スペースの設置

禁煙や分煙が進むなか、喫煙できる場所が分からなかったり、ショッピングモールの外まで移動しなければならなかったりする場合、来館者が滞在を切り上げてしまう要因になり得ます。

もちろん、非喫煙者への配慮と両立させる設計が重要ですが、モール内の動線を考慮して適切に喫煙スペースを設けることで、喫煙者の滞在時間の増加につながることが期待できます。

BGMや映像の工夫

BGMや映像は、来館者の心理に無意識の影響を与える要素です。心地よい音楽や季節感のある映像を活用することで、空間全体の印象をやわらげ、長くいても疲れにくいと感じてもらうことができます。

時間帯やエリアごとに演出を変えることで、単調さを緩和し、回遊意欲を高めることにもつながります。

利便性を高めて滞在時間を延ばす方法7選

来館者の滞在時間が短くなってしまう大きな要因が、不便さや、分かりにくさです。待ち時間や移動のストレス、支払いの手間などが積み重なると、来館者はストレスを感じて離脱につながります。利便性を高めることでこうしたストレスを減らし、時間を気にせず過ごせる環境をつくることが大切です。

ここでは、滞在時間の延長につながる、利便性を高める施策を紹介します。

多様なテナントの導入

ショッピングモールに訪れる主な目的として、買い物や飲食が挙げられますが、それらに限らず、銀行やクリニック、サービス店舗など、多様なテナントが出店することで、複数の用事を一か所で済ませられるようになります。特に、ファミリー層や共働き世帯、シニア層など、時間効率を重視する層にとっては、それが大きな魅力となります。

多様なテナントを充実させることで、用事の前後に飲食や買い物をする回遊行動も生まれやすくなり、顧客の来館目的が増えることで、自然と滞在時間の延長につながります。

混雑状況の可視化

待ち時間が分からないという不安は、滞在時間を短くする要因になります。デジタルサイネージやアプリで、飲食店やサービスの待ち時間や混雑状況を可視化することで、来館者が次の行動の予定を立てやすくなります。また、順番待ち通知機能を導入すれば、待ち時間で買い物や他エリアを回ることができます。

待ち時間を楽しめる時間に変えることで来館者のストレスを緩和し、滞在時間の延長につなげられます。

荷物預かりサービス・ロッカーの拡充

買い物が進むにつれて荷物が増えていくと、離脱を招きやすくなります。荷物預かりサービスやロッカーを充実させることで、身軽な状態でショッピングモール内を回れるようになり、滞在時間の延長が期待できます。特に、ファミリー層や観光客にとっては利便性が高く、滞在中の負担を減らすことで結果的に滞在時間を増やすことにつながります。

キャッシュレス決済への対応

キャッシュレス決済が浸透しているなか、現金を持たない人も増えています。キャッシュレス決済へ対応することで、そういった来館者の離脱を防ぐ効果が期待できます。また、会計時のストレスを減らすことで購買行動がスムーズになるとともに、支払いに時間がかからないことで、買い物のテンポが良くなり、複数店舗を回りやすくなります。

決済の手間を感じさせない環境をつくることで回遊性が高まり、ショッピングモール全体での滞在時間を延ばすことができます。

モバイルオーダー機能の導入

モバイルオーダー機能とは、来館者が自身のスマートフォンなどから注文と決済を完結できるシステムです。フードコートや飲食店でモバイルオーダー機能を導入することで、行列や待ち時間に対する心理的負担を軽減できます。

モバイルオーダー機能があれば、注文後に席を探したり、他の店舗を見て回ったりできるため、時間を有効に使えるようになります。特に、若年層を中心にモバイルオーダー機能が普及していることから、若年層にとっての利便性向上につながり、滞在時間の増加も期待できるでしょう。

駐車場の料金体系の見直し

駐車場料金は、滞在時間に大きく影響する要素です。一定時間まで無料、利用金額に応じた割引などを設けることで、駐車場料金を気にせず買い物や食事を楽しむことができ、滞在時間の自然な増加が見込めます。

駐車場の料金体系の見直しは、車利用が中心のショッピングモールほど効果的な施策です。

他店で使えるクーポンの発行

他店でも使えるクーポンや、複数店舗の利用で特典が得られる「条件達成型キャンペーン」は、ショッピングモール内の回遊を促進しながら滞在時間を延ばせる施策です。買い回りの動機が生まれやすく、売り上げ増加にも直結します。

滞在時間を把握・分析する方法3選

来館者の滞在時間を把握できていない場合、離脱しているポイントも把握することができません。滞在時間を把握できれば、回遊の状況から、売場や導線の改善点が明確になり、適切な施策を検討することができます。

ここからは、来館者の滞在時間を把握し、分析することで改善につなげる施策を紹介します。

AI分析型カメラ

AI分析型カメラは、来館者の動きや滞在状況をデータとして可視化できるツールです。エリアごとの滞在時間や回遊ルートをカメラで把握することで、人が集まっていない売場や、素通りされやすい導線などの改善点が明確になります。 感覚的に行っていた売場改善やレイアウト変更も、データに基づいて検証できるようになり、施策の精度が高まることが期待できます。施策前後の変化を比較することで、滞在時間が延びたかどうかを確認でき、継続的な改善につなげることが可能です。

AIセンサー

AIセンサーは、人の動きや導線を検知し、人数や滞在時間を計測するツールです。カメラと比べて設置の自由度が高く、特定のエリアや通路単位での分析に適しています。

どの時間帯にどの場所での滞在が長いのか、逆にどこで離脱が多いのかを把握することで、スタッフの配置や施策の見直しに活用でき、回遊と滞在時間の増加をねらった具体的な改善につながります。

滞在時間連動型サービス

滞在時間連動型サービスは、来館者の滞在時間に応じて特典を得られる仕組みです。スマホアプリと連携し、一定時間以上滞在した来館者にクーポンを配布する、複数エリアを回遊した人に特典を付与するなど、来館者のデータを活用した施策が可能になります。

このようなサービスを導入することで、来館者にとってはカスタマイズされた特典を受け取れることで満足度向上につながります。また、運営側にとっても、ピークタイムの混雑緩和や回転率の改善といった効果が期待でき、結果として滞在時間の増加につながるでしょう。

まとめ

ショッピングモールに訪れる人の滞在時間を延ばすためには、長く過ごしたくなる要因づくりが重要です。居心地の良い空間づくりや、特別な体験ができるイベント、利便性を高めてストレスを軽減する工夫など、複数の施策を組み合わせることで、滞在時間を延ばすことができます。

ショッピングモールの特性や課題に合った施策を段階的に取り入れていくことが、滞在時間向上へとつながってくでしょう。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。