ウォークラリーは、参加者に地域を歩いて巡ってもらうことで、観光スポットへの回遊促進や滞在時間の延長、消費機会の創出につながる施策です。近年は、謎解きやデジタル技術、特典設計などを組み合わせることで、単なるスタンプラリーにとどまらない多様な企画が実施されています。
一方で、目的に応じた設計ができていないと、思うように回遊や消費につながらないケースもあります。
本記事では、観光・グルメ・健康などのジャンル別に、ウォークラリーの企画事例を17選紹介します。
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観光・謎解きに関するウォークラリーの企画8選

ここでは、観光・謎解きに関するウォークラリーの企画8選を紹介します。
周遊型謎解きゲーム
株式会社IKUSAが提供する「周遊型謎解きゲーム」は、地域の特性に合ったオリジナルの謎解きができるイベントです。PRしたい場所に謎解きスポットやヒントを設置することで、自然に参加者の回遊を促せます。
三重県松阪市では、江戸時代に豪商の町として栄えた歴史を活かして、「豪商のまち松阪 謎解き宝探し」を開催しました。武家屋敷や松坂城跡に謎解きスポットを設置することで、主要観光スポットへの回遊が促進されました。また、カフェや買い物スポットを「ヒント店」に設定し、ストーリーの中に組み込むことで、参加者の滞在時間を延ばし、地域での消費拡大にダイレクトにつなげた成功事例です。
参考:【開催事例】「謎解き宝探し」三重県松阪市様 | あそぶプロモーション
災害都市からの大脱出
株式会社IKUSAが提供する「災害都市からの大脱出」は、親子で謎解きをしながら防災について学べる謎解きイベントです。地図を見て謎の手がかりを探しながら、災害についての知識を自然に習得できます。
NTTドコモは武蔵小山商店街パルムで開催し、2日間で約400名を集客しました。商店街に謎解きスポットを設置することで細部まで回遊を促し、特典として500円分のdポイントを用意することで、商店街内での「ついで買い」を誘発しました。防災という社会貢献性の高いテーマと、商店街の活性化という商業的メリットを一つのイベントで高度に両立させた事例です。
参考:【開催事例】「災害都市からの大脱出」株式会社NTTドコモ様 | あそぶプロモーション
地下謎への招待状
東京メトロが開催している「地下謎への招待状」は、交通インフラをフル活用し、沿線地域の隠れた魅力を再発見できる謎解きイベントです。
参加者は謎を解くために、普段は降りない馴染みの薄い駅にも立ち寄る必要があり、沿線エリア全体へ自然な回遊を生み出しています。段差なしコースを用意するなど、ベビーカー利用者や車いすの方への配慮がなされているのも特徴です。誰もが参加できるユニバーサルデザインを取り入れることで、ブランドイメージの向上と長期的なファン形成に成功しています。
参考:ナゾトキ街歩きゲーム 『地下謎への招待状2025』 開催!|東京メトロ
秋の京都スマートさんぽ
「秋の京都スマートさんぽ」は、観光地の混雑分散を目的に、デジタルマップと連動させたウォークラリーです。リアルタイムの混雑状況をもとに回遊ルートを動的に提案し、人の流れをコントロールしています。
混雑の少ない穴場スポットや空いている時間帯に訪れると、追加ポイントが付与されるインセンティブ設計が特徴です。デジタル技術によって参加者の利便性を高めながら、特定エリアへの集中を避けることで、観光客の満足度向上と地域住民の生活環境保護を両立させています。オーバーツーリズム対策としてのロールモデルといえるでしょう。
参考:ポイントラリーで巡る 秋の京都スマートさんぽ<PR>|京都観光オフィシャルサイト京都観Navi
奈良大和巡礼スタンプラリー
奈良県の寺社や飲食店を巡る「奈良大和巡礼スタンプラリー」は、伝統的な「巡礼」という文化を現代のスタンプラリー形式に落とし込み、地域商店との連携を強固にした企画です。
歴史や文化を堪能できる「巡礼スポット」を巡るだけでなく、地域の飲食店で特別なおもてなしが受けられるスポットを設けることで、観光をそのまま地域経済の潤いへとつなげています。参拝客が寺社を訪れるだけで終わらず、街を歩き、地元の食に触れるための動線が緻密に設計されており、観光資源と商業資源を組み合わせることで、エリア全体の魅力を底上げすることに成功しました。
かながわ歴旅ARラリー
「かながわ歴旅ARラリー」は、神奈川県内の歴史スポット124か所を対象として、GPS認証とARを組み合わせて実施されたデジタルスタンプラリーです。
特定の30スポットではスマホをかざすとゆかりのある人物や建物が画面上に現れる演出を導入し、歴史を視覚的に楽しむための付加価値を提供しました。スタンプの獲得数に応じて県内の宿泊券やグルメが当たる抽選に参加できる仕組みにすることで、県内全域への広域な周遊と宿泊需要を喚起しています。最新テクノロジーを用いて歴史の魅力を現代的に翻訳し、幅広い層の興味を引くことに成功した事例です。
参考:かながわ歴旅ARラリー|神奈川県公式観光サイト 観光かながわNow
長崎ランタンフェスティバル公式スタンプラリー
「長崎ランタンフェスティバル公式スタンプラリー」は、長崎市の冬のメインイベントである「ランタンフェスティバル」の期間中に、市内の混雑緩和と回遊促進を目指して実施されたデジタルスタンプラリーです。
スタンプ数に応じて先着でもらえる限定グッズや、抽選で当たる地域の特産品を用意することで、参加者のモチベーションを維持しました。また、メイン会場以外の観光スポットへも自然に足を運んでもらうことで、フェスティバルの賑わいを街全体へ波及させています。人気イベントにさらなる周遊の仕組みを加え、地域経済の活性化をより確かなものにした事例です。
参考:長崎ランフェスを楽しく巡ろう!デジタルスタンプラリー開催|STLOCAL
駅長おすすめの JR九州ウォーキング
「駅長おすすめのJR九州ウォーキング」は、駅長が地元の人々と作ったウォーキングコースを参加者が歩くイベントです。全67コースが用意されており、参加者が自分のペースで歩けるため、幅広い層の参加が期待できます。
人気キャラクターとのコラボや、雨の日の参加者への特典プレゼントなど、繰り返し参加しても楽しめる工夫が取り入れられています。コース設計や運営も、参加者の動きや気持ちを意識して丁寧に作られており、その積み重ねがファンの定着につながっています。こうした取り組みによって、鉄道の利用促進と地域の魅力発信がうまく結びついている点が特徴です。
参考:駅長おすすめのJR九州ウォーキング2026年春編を開催します!|JR九州
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健康に関するウォークラリーの企画4選

ここからは、健康に関するウォークラリーの企画4選を紹介します。
バーモントファミリーウォーク
ハウス食品グループが主催する「バーモントファミリーウォーク」は、日本各地の魅力的なコースを家族や仲間と歩くウォークラリーイベントです。健康づくりとコミュニケーションの促進を最大の目的としており、幅広い層が参加しやすいアットホームな雰囲気が特徴となっています。
各地の自然や歴史を活かしたコース設計がなされており、例えば群馬大会では城沼の遊歩道10km、沖縄大会では浦添城址を巡る7kmといった、その土地ならではの景色を楽しめる内容が用意されました。完歩者には、日本ウォーキング協会認定の完歩証とともにハウス食品グループの製品が贈呈されるため、参加者のモチベーションを最後まで高く維持させる仕組みが整っています。企業ブランドの信頼感を活用しながら、地域住民との接点を作り出す協賛型イベントの理想的なモデルといえます。
ピンクリボン京都 スタンプラリー&ウォーク
「ピンクリボン京都 スタンプラリー&ウォーク」は、乳がんの早期発見・早期治療を呼びかける「ピンクリボン活動」の一環として京都で実施されているウォークラリーです。社会的な意義が深いテーマをウォークラリーと結びつけ、参加者に「健康のために歩く」という枠を超えた、明確な参加動機を提供しているのが大きな特徴です。
コース上の各社寺にピンクリボンの啓発ブースを設置し、専用の御朱印の押印やクイズへの回答を組み込むことで、楽しみながら自然に啓発メッセージを受け取れるよう工夫されています。また、ゴール後には空くじなしの抽選会を実施し、イベントとしての達成感や満足度をさらに高めています。社会貢献活動と地域観光、自身の健康管理を三位一体で実現できる、集客力の高い企画です。
歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー
「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」は、糖尿病患者の方やそのご家族、さらには予防に関心のある一般の方を対象としたイベントです。単に距離を歩くのではなく、チェックポイントを探しながら設定された目標タイムを目指す形式を採用しており、ゲーム感覚で糖尿病について学べるよう設計されています。
動物園を会場に選んで家族連れの参加を促したり、コース途中に糖尿病に関するクイズや血糖値測定ポイントを設置したりするなど、医療情報をいかに楽しく、自分ごととして捉えてもらうかという工夫が随所に見られます。厚生労働省主催の「健康寿命をのばそう!アワード」で優良賞を受賞するなど、専門性とエンターテインメント性を両立させた企画の有効性は公的にも高く評価されています。
参考:糖尿病がある方へ|JADEC 公益財団法人 日本糖尿病協会
適塩ウォークラリー
「適塩ウォークラリー」は、宇治市が推進する減塩の取り組みを市民に広く周知するために実施された、自治体主導の啓発型企画です。独自のイベントとして独立させるのではなく、既存の「宇治十帖スタンプラリー」と同時開催する形をとることで、もともとある高い集客力を最大限に活用しています。
当日は保健師や栄養士といった専門スタッフが同行し、「適塩」のメッセージを掲げたのぼりやバッジを身につけて歩くことで、参加者だけでなく沿道の通行人に対しても視覚的なPRを行いました。実際に歩行中、市民から「適塩とはどういう意味か」と声をかけられる場面もあり、参加者自身が「動く広告塔」として機能する仕組みが構築されています。既存の地域資源やイベントに乗せることでコストを抑えつつ、高い波及効果を生み出した自治体施策です。
参考:適塩ウォークラリーを実施しました。|宇治市域外・健康・食育
アニメコラボに関するウォークラリーの企画3選

ここからは、アニメコラボに関するウォークラリーの企画3選を紹介します。
名探偵コナン スタンプラリー
「名探偵コナン スタンプラリー」は、劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の公開を記念して実施された企画です。映画の舞台となった函館市内を巡ることで作品の世界観をリアルに体験でき、ファンにとって「聖地を歩く」という強力な動機を創出することで、市内の広範囲にわたる回遊を促しました。
スタンプを5個集めるとARフォトフレーム、7個で豪華賞品が当たる抽選権といったように、達成条件を段階的に設けることで、途中で飽きさせない工夫がなされています。スタンプ設置場所自体を魅力的なフォトスポット化し、現地でしか得られない体験価値を付加している点もポイントです。この取り組みの結果、観光案内所の利用者が前年同期比で約178.8%にまで急増するなど、コンテンツの力を観光消費へと見事に結びつけた成功事例となりました。
参考:【2024/4/12~9/30】劇場版「名探偵コナン 100 万ドルの五稜星(みちしるべ)」公開記念コラボイベント開催|はこぶら函館市公式観光サイト
参考:映画の舞台にファンが殺到!函館、八丈島、シンガポール、劇場版「名探偵コナン」が誇る驚異の集客力|みんなのライフハック@DIME
ポケふた スタンプラリー
「ポケふたスタンプラリー」は、全国各地に設置されたポケモンのデザインマンホール蓋「ポケふた」を巡るスタンプラリーです。位置情報ゲーム「Pokémon GO」のアプリ機能を活用しているため、膨大な既存ユーザー層をそのままイベント参加者として取り込める点が最大の強みとなっています。
同じ県内でスタンプを2つ集めるごとに、その地域の風景を背景にした特別なピカチュウに出会える仕組みが用意されており、アプリならではの楽しみが継続的な参加を後押ししています。もともとは一部の地域限定で始まった取り組みですが、人気の高まりを受けて、現在は全国に対象エリアが広がっています。全国的に認知度のあるキャラクターと既存のアプリを組み合わせることで、地域を問わず展開しやすい回遊施策として参考になる事例です。
参考:「ポケふたスタンプラリー」の対象エリアが日本全国に拡大!|Pokémon GO
わたしの幸せな結婚 スタンプラリー
「わたしの幸せな結婚 スタンプラリー」は、アニメ「わたしの幸せな結婚」と千代田区観光協会がコラボしたスタンプラリーです。春の風物詩である「千代田のさくらまつり」と同時開催することで、相乗効果を狙っています。千鳥ヶ淵や北の丸公園といった桜の名所をラリーポイントに設定し、季節のイベントにアニメファンという新たな層を呼び込みました。
東京大神宮や国立公文書館など、作品と相性の良い5か所を巡るとオリジナルステッカーがもらえる仕組みで、ファンが自発的に回遊する動線がつくられています。さらに、区内の飲食店やショップで使える割引企画とも連動させることで、スタンプ収集にとどまらず、地域での消費につながる設計になっています。季節ならではの景観とアニメ作品を組み合わせ、集客と地域経済の活性化を同時に狙った企画といえます。
参考:わたしの幸せな結婚×千代田区のさくらまつり|一般社団法人千代田区観光協会
グルメに関するウォークラリーの企画2選

ここからは、グルメに関するウォークラリーの企画2選を紹介します。
よかよかはしごメシ
「よかよかはしごメシ」は、福岡市の大濠・舞鶴公園周辺エリアのご当地グルメ27店舗が参加した、デジタルスタンプラリーです。地域産業支援課と8つの商店街が主催となり、エリア全体の認知度向上と商店街の活性化を目的に実施されました。
屋台からワインバーまで幅広いジャンルの店舗がそろっており、来場者の好みに合わせて選べる点が集客につながっています。加えて、デジタルスタンプと参加店舗マップを連動させることで、スマートフォンだけで次の店舗へ移動できる導線が整えられています。その結果、自然に複数店舗を回遊しやすい仕組みになっています。さらに、行政と商店街、各飲食店が連携して運営することで、地域全体で消費を促す形が実現されており、エリアの魅力向上にもつながっています。
喜多方酒蔵探訪のんびりウォーク
「喜多方酒蔵探訪のんびりウォーク」は、蔵の街として知られる福島県喜多方市の12の蔵元を巡りながら、酒造りの歴史を直接聞き、銘酒をじっくり味わえるイベントです。
参加者が購入したお酒は駅まで無料で配送されるため、荷物を気にせず散策を続けられます。さらに、休憩所の設置やラーメンの優待券、日本酒のクーポン配布などを通じて、街全体を回遊しやすい仕組みが整えられている点も特徴です。酒造りという地域の強みを体験として楽しめる形にすることで、継続的な来訪につながっています。
参考:第8回 喜多方酒蔵探訪のんびりウォーク開催のご案内|会津喜多方商工会議所
まとめ

ウォークラリーは、参加者が自分自身の足で地域を歩き回ることで、特定のテーマについて深く学んだり、その土地に眠る隠れた魅力を再発見したりできる体験型のイベントです。観光やグルメ、健康増進からアニメコラボレーションまで、その実施内容は多岐にわたります。
地域の資源を軸にテーマを組み立て、デジタルツールや地元店舗との連携を取り入れることで、単発で終わらず、継続的な来訪や回遊につながる施策として活用できます。本記事を参考に、集客につながるウォークラリーをぜひ企画してみてください。
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