観光DXの成功事例18選!回遊・接客・決済・宿泊などジャンル別に紹介

更新日:2026/05/12

この記事でわかること
  • ジャンル別にわかる観光DXの成功事例
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

近年、観光業界では「観光DX」の波が急速に広がっています。AIによる多言語対応や混雑の可視化など、デジタル技術が観光客の体験を大きく変えつつあります。一方で、「どんな施策が効果的なのかわからない」「他の地域の成功例を参考にしたい」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、デジタルマップや地域通貨などの観光DXの事例を、ジャンル別に18選紹介します。

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回遊・移動に関する観光DXの事例7選

ここでは、回遊・移動に関する観光DXの事例7選を紹介します。

1.箱根デジタルマップ

「箱根デジタルマップ」は、年間約2,000万人が訪れる箱根の交通や店舗の混雑状況を可視化するサービスです。慢性的な渋滞や観光スポットの混雑を解消するため、観光客の周遊を促す目的で導入されました。

主な機能は以下のとおりです。

  • 渋滞情報・駐車場混雑状況のリアルタイム表示
  • 箱根登山バス・ロープウェイなど交通機関の運行情報
  • 飲食店の混雑状況の表示とオンライン予約
  • 混雑状況に応じたデジタルクーポンの配布
  • 早朝・夜間などのタイムシフト観光を含む周遊ルートの案内

また、日本語・英語・韓国語・中国語に対応しており、インバウンド観光客にも使いやすい設計になっています。混雑の分散と周遊促進をデジタルで実現した取り組みです。

参考:「箱根観光デジタルマップ」が機能拡大されました|箱根町観光協会公式サイト 箱根全山

2.京都観光デジタルマップ

「京都観光デジタルマップ」は、京都市内の混雑状況を可視化するマップです。観光の分散化と観光客の利便性向上を目的に、2024年11月より京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」で運用が開始されました。

主なサービス内容は以下のとおりです。

  • 観光スポットの情報発信
  • 混雑情報・混雑予測のリアルタイム発信
  • 一般車・観光バス駐車場の満空情報
  • 交通規制・渋滞傾向情報の発信
  • 公衆トイレ・ゴミ箱・喫煙所などの観光マナー情報
  • 手荷物の一時預かりサービスの案内
  • 現在地からのルート検索

利用者アンケートでは、「混雑が少ない時間帯に観光できた」「リアルタイムで次の動き方を決められた」など、約9割が混雑回避に役立ったと回答しています。混雑の可視化から手荷物預かりまで、観光客が旅中に必要とする情報を一つのマップに集約した、利便性の高いサービスです。

参考:「京都観光デジタルマップ~Kyoto Smart Navi~」を運用開始!~京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」等に新たに導入~|国土交通省 近畿地方整備局

3.時あるきマップ

「時あるきマップ」は、長崎県時津町が制作したデジタルウォーキングイラストマップです。紙の地図を持ち歩かずに、スマートフォンのGPS機能を活用しながら町巡りができます。

マップ上には飲食店・宿泊施設・史跡などのスポット情報やウォーキングコースが表示されます。ワンタッチでGoogleマップへの切り替えも可能で、QRコードを読み取るだけで利用できるためアプリのダウンロードも不要です。

紙のマップ制作のコストを抑えつつ、自治体の観光DX推進の参考になる取り組みといえるでしょう。

参考:デジタルウォーキングイラストマップ「時あるきマップ」公開!|時津町

4.尾道観光デジタルマップ

「尾道観光デジタルマップ」は、広島県尾道観光協会が公開している地域情報をまとめたマップです。尾道の食やイベントなどの情報が1つにまとまっており、地元ならではのニッチな情報も掲載されています。

主な掲載内容は以下のとおりです。

  • 観光:映画のロケ地・猫出現スポット・展望台などの観光スポット
  • 食:尾道ラーメン・カフェ・お土産店などの飲食情報
  • 移動:レンタサイクル・ロープウェイ・駐車場などの交通情報

また、スポット紹介にとどまらず、多数のモデルコースも掲載されています。観光客が迷わず周遊できる環境を整えた取り組みです。

参考:尾道のデジタルマップ

5. 沖縄MaaS

「沖縄MaaS」は、沖縄県内の交通機関や観光施設のチケットをスマートフォンで購入できるサービスです。沖縄観光はレンタカーを利用する方が多く、事故・道路の渋滞、特定の観光地への観光客集中などの問題が起きていました。

そのため、公共交通の利用率向上を目的に、バスやモノレールをスマートフォンで検索・決済できる沖縄MaaSを導入しました。

利用者からは「複数回利用したため、十分元が取れた」といった声も寄せられており、観光客の移動手段の分散化に貢献しています。

参考:冬の旅行も沖縄MaaSでお得に!|沖縄MaaS運営会

6.江の島・鎌倉フリーパス

「江の島・鎌倉フリーパス」は、藤沢駅~片瀬江ノ島駅間の小田急線と江ノ電が自由に乗り降りできるデジタルチケットです。新宿から藤沢までの往復切符も含まれており、江の島・鎌倉エリアを周遊できます。

周辺のカフェや長谷寺などの優待券も付属しており、移動だけでなく観光消費の促進にもつながる取り組みです。また、江の島シーキャンドルの1日フリー利用券や新江ノ島水族館の割引券がセットになったプランも用意されています。

交通・観光・割引を1つのチケットにまとめることで、観光客が気軽に周遊できる仕組みを実現しています。

参考:江の島・鎌倉フリーパス|小田急のお得なきっぷ

7.TOHOKU MaaS

「TOHOKU MaaS」は、JR東日本が提供する東北各地をスマートフォン1つで移動・観光できるチケットです。東北地方への誘客と回遊促進を目的としています。

エリア内の電車・バスが乗り放題になるフリーパスや、観光施設・体験スポットのチケットを事前購入できるサービスなどがあります。利用時はスマートフォンの画面を見せるだけで済むため、施設の入場チケットを持ち歩く必要がありません。

移動と観光をワンストップで手配できる手軽さが魅力の取り組みです。

参考:TOHOKU MaaS|JR東日本

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案内・接客に関する観光DXの事例4選

ここでは、案内・接客に関する観光DXの事例4選を紹介します。

1.多言語対応AIコンシェルジュ

「多言語対応AIコンシェルジュ」は、東京・秋葉原で実証実験のため行われた、21か国語対応のAI案内サービスです。外国人旅行者が旅行中の困りごととして挙げている「施設スタッフとの会話」「多言語表示の少なさ」の解消を目的に実施されました。

街中に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで利用でき、24時間・自動応答で観光案内や防災ガイドを提供します。1日あたりの利用者は約10名で、1人につき平均4回の質問に応答しました。回答へのフィードバックでは、利用者の83%が「Good」と評価しています。

通訳スタッフの雇用コストを抑えながら、観光客の困りごとである「言葉の壁」の解消を目指せる事例です。

参考:第六回TDPFコミュニティイベント発表資料 株式会社IP DREAM 地域一体で育成する「多言語AIコンシェルジュ」プロジェクト|東京都(PDF)

2.小梅ちゃん

「小梅ちゃん」は、福井県永平寺町の観光案内所に設置されているAIコンシェルジュです。外国人観光客の増加に伴い、英語・中国語などへの多言語対応が急務となっていたことから、導入が決定しました。

スタッフの代わりに複数言語で観光客に対応できるため、人件費の削減と人員不足の補完につながります。さらに、案内業務をこなすだけでなく、来館者のデータ蓄積・分析もできるのが特徴です。蓄積したデータは観光施策の改善に活用でき、案内と情報収集を同時に進められます。

外国語対応スタッフの確保が難しい観光地でも、集客や案内体制を整備できるモデルケースといえるでしょう。

参考:地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例|総務省(PDF)

3.観光AIコンシェルジュ

「観光AIコンシェルジュ」は、群馬県安中市で提供されている、多言語・24時間対応のコンシェルジュサービスです。観光客一人ひとりの関心や移動条件に合わせた提案を行い、課題解決と消費拡大を目的としています。

利用者の移動手段・滞在時間・好みのジャンルを考慮したうえで、飲食店や観光スポットを案内します。専用アプリのインストールは不要で、スマートフォンでQRコードを読み取るだけで利用できるため、観光客が気軽に活用できます。24時間対応のため、夜間や休日でもサポートが途切れません。

スタッフ対応の負担を抑えながら、観光客一人ひとりに寄り添った案内を実現している点が特徴です。

参考:安中市に「観光AIコンシェルジュ」のサービス提供開始|伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

4.トリップAIコンシェルジュ

「トリップAIコンシェルジュ」は、長崎県の稲佐山観光ホテルが導入しているAIコンシェルジュサービスです。ホテルスタッフに代わり、24時間いつでも問い合わせに対応します。

「長崎駅から何分かかるか」といった移動に関する質問から、自動販売機の場所などの館内設備の案内まで幅広く対応しており、宿泊前から滞在中まで継続的なサポートを受けられます。

繁忙期や深夜帯でも宿泊客が必要な情報をすぐに得られることで、顧客満足度の向上とスタッフの業務負担軽減を同時に実現しています。

参考:稲佐山観光ホテル

消費・決済に関する観光DXの事例2選

ここでは、消費・決済に関する観光DXの事例2選を紹介します。

1.さるぼぼコイン

「さるぼぼコイン」は、岐阜県高山市・飛騨市・白川村の3エリアで利用できる電子地域通貨です。地域経済の活性化を目的に導入され、エリア内の飲食店やお土産店での支払いをキャッシュレスで完結できます。

2023年4月30日時点で、利用者2万9,300名・加盟店数は約1,930店・累計決済額は約82億円に達しており、地域で使える決済手段として浸透しています。

さるぼぼコインでしか注文できない裏メニューが存在することも大きな魅力です。通常の現金払いでは体験できない特典があるため、観光客の利用促進につながっています。地域の消費を域内に循環させる仕組みとして、参考になる取り組みです。

参考:電子地域通貨 さるぼぼコインとは?|飛騨高山旅ガイド

2.しまぽ通貨

「しまぽ通貨」は、東京の11の島で使えるプレミアム付き宿泊旅行商品券です。1セット1万円分の商品券を7,000円で購入できるため、3,000円分お得に島を楽しめます。

加盟店は450店以上あり、レストランでの食事やダイビングなどのアクティビティ、お土産の購入など、幅広いシーンで活用できます。また、近隣の複数の島を巡る際にも1つの商品券で対応できるため、観光客の回遊促進にも貢献しています。

諸島全体の消費を後押しする決済DXの事例として、離島観光の活性化に取り組む地域にとって参考になるサービスです。

参考:電子しまぽ

宿泊体験に関する観光DXの事例3選

ここでは、宿泊体験に関する観光DXの事例3選を紹介します。

1.アパホテル「トリプルワン」

「トリプルワン」は、アパホテルが実施している、予約からチェックアウトまでをスムーズに完結できるサービスです。特にチェックイン・チェックアウトにかかる時間を短縮できる点が強みです。

サービスの一連の流れは以下のとおりです。

  • 予約時にアプリで宿泊するホテルをお気に入り登録しておくと、ワンステップで予約が完了
  • 宿泊当日は、フロントのアプリチェックイン専用機に会員証をかざしてチェックイン
  • チェックアウト時は、カードキーをポストに投函して完了

また、チェックアウト用ポストは、国土交通省観光庁の「持続可能な観光の実現に向けた先進事例集2020年度」にも掲載されました。フロントの混雑緩和を実現した取り組みとして、宿泊施設のDX推進の参考になるでしょう。

参考:アパホテルのDXはトリプル111|APA HOTEL&RESORTS

2.HOTEL LOGIN NISEKO「スマートチェックイン」

「スマートチェックイン」は、北海道ニセコのホテル「HOTEL LOGIN NISEKO」が導入しているチェックイン方法です。「顧客の限りある時間を大切にしたい」という思いから始まりました。

利用の流れはシンプルで、予約完了後にホテルから情報登録URLとハウスマニュアルがメールで届き、チェックイン前日に部屋番号と暗証番号が送られてきます。ホテル到着後はフロントでの手続きなしでそのまま入室でき、チェックアウト手続きも不要です。

公式サイトには「チェックインがスムーズでよかった」との口コミも寄せられており、到着後すぐにホテル滞在を楽しめる環境を提供しています。フロントでの待ち時間をゼロにするという、顧客体験を重視したDXの好例です。

参考:HOTEL LOGIN NISEKO

3.変なホテル

「変なホテル」は、ロボットがフロント業務などを代行するユニークなホテルです。人件費削減を目的に導入されましたが、そのエンターテイメント性が注目を集め、世界初のロボットが働くホテルとしてギネス認定されています。

フロントでは巨大恐竜や人間型ロボットが接客を担当し、部屋に映像が映し出されるシアタールームや、読み聞かせやダンスをするロボット「ロボホン」がいる部屋も用意されています。

宿泊者からは「ユーモアがあって楽しく宿泊できた」「恐竜のお出迎えで子どもが喜んでいた」といった声も寄せられています。コスト削減を起点としながら、宿泊体験そのものをコンテンツ化した集客施策の参考になる事例です。

参考:変なホテルで安心&楽しいSTAY|HISホテルグループ

運営・データに関する観光DXの事例2選

ここでは、運営・データに関する観光DXの事例2選を紹介します。

1.城崎温泉「まち全体が一つ温泉旅館」

兵庫県豊岡市の城崎温泉では、地域の宿泊施設に予約・顧客管理システム「共通のPMS」を導入し、街全体を1つの温泉旅館として運営する取り組みを進めています。各施設が個別に顧客管理するのではなく、地域一体で消費行動を把握し、観光消費の拡大につなげるのが目的です。

宿泊業務の効率化や宿泊データを活用したメールマーケティングなどの施策を実施した結果、来訪者のリピーター率は41.4%、宿泊客1人1泊あたりの観光消費額は32,438円を達成しました。データを地域全体で共有・活用することで、個々の施設では生み出せなかった成果を実現した取り組みです。

参考:“ まち全体が一つ温泉旅館 ”のDX化実現事業(豊岡観光DX推進協議会)|観光DX(PDF)

2.若狭漁村まるごとホテル

「若狭漁村まるごとホテル」は、福井県若狭町の漁師民宿を対象に、地域全体で共通PMSを導入した事例です。地域ぐるみで予約・販促のIT化の仕組みを整え、持続可能な観光モデルの構築を目標としています。

販売・データ基盤の整備として、地域共通のPMS・サイトコントローラーの導入に加え、地域OTA・DMPなどの整備も進めています。他にも、デジタル人材を地域内で育成することで、外部委託していた予約管理やマーケティング戦略・販売促進の業務を自立的に運営できる体制を構築しています。

小規模な宿泊施設でも持続的に運営できる観光モデルとして、参考になる事例といえるでしょう。

参考:「若狭漁村まるごとホテル」中間支援 ・過疎観光地域活性化モデル事業|観光DX(PDF)

まとめ

観光DXは、デジタル技術を活用して観光地の課題を解決し、観光客の利便性を高める取り組みです。デジタルマップによる混雑の可視化やMaaSによる移動の効率化など、多様な施策が各地で広がっています。

自地域の課題に合った手法を取り入れることで、より高い効果が期待できるでしょう。本記事を参考に、観光DXの導入をぜひ検討してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。記事で紹介した手法を地域の課題解決に活かすための、実践的なプロモーション資料や相談窓口をご用意しています。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。