修学旅行誘致の方法18選!学習プログラム開発や受け入れ体制、営業や広報などを紹介

更新日:2026/06/15

この記事でわかること
  • 修学旅行誘致に効果的な施策18選を紹介
  • 探究学習・SDGs・地域体験を活かしたプログラム事例
  • 受入環境の整備から営業・PRまで成功のポイントを解説
この記事の監修者:元親

観光地や施設を、日本で一番ワクワクする遊び場に変えたい!そんな想いで、その土地だけの魅力を「遊び」で引き出します。

目次

多くの地域にとって修学旅行の誘致は重要なものです。観光の発展や経済効果など、地域活性化に欠かせない要素となっています。時代の流れによって修学旅行のトレンドも変化しているので、それに合わせた誘致の方法が必要です。

本記事では、修学旅行誘致の方法20選について、新たな学習プログラムの開発や受け入れ態勢の整備、営業・PRなど、ジャンル別に掘り下げて紹介します

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学習プログラム・プランの提供10選

古典的な修学旅行のイメージは、「京都・奈良で有名スポットを巡る」といった観光要素が大きいものです。しかし、最近は体験・探求型が注目され、それに基づく学習プログラムが組み込まれた修学旅行を行うケースも増えてきています。新たなプログラムや魅力のあるプランが誘致にとって重要です。

地域の課題をテーマにする

地域の課題を学習テーマにした修学旅行のプログラムです。長崎県壱岐市では、離島特有の課題解決を目指す修学旅行プログラムを展開。

「持続可能な漁村の実現」「兼業で農家を続けられる方法」「高齢化が進む民泊のあり方」などの課題から生徒が選択し、現地調査をまじえながら結果を発表するといった探究型の内容になっています。

地域の生活を体験

修学旅行は現地に行き、実際に体験することを目的にしています。それをさらに推し進め、現地の生活を体験するプログラムです。

体験型観光を推進する組織「全国ほんもの体験ネットワーク」は、地域に暮らす人の仕事や生活を一緒に体験するプログラムを展開しています。滋賀県甲賀市では、忍者文化に触れながら、農業や伝統文化について体験することが可能です。

【滋賀県甲賀市のほんもの体験プログラム例】

  • 薬づくり…忍者が使用していた薬草を使った生薬をつくる
  • 陶芸…信楽焼で作品づくり
  • 農業体験…地元の農家で玉ねぎを収穫・剪定

高校生ガイド

高校生ガイドは、修学旅行に来た高校生を地元の高校生が案内するプログラムです。

石川県の観光連盟は修学旅行誘致の一環として高校生ガイドの育成支援を行っており、地元の高校性が各地の観光名所をガイドする取り組みを展開しています。同世代だからこその親近感や学生ならではのホスピタリティなどが魅力となり、注目されているようです。

SDGsを取り入れたプログラム

探究型学習プログラムのテーマとして「SDGs」を採用する事例も多く見られます。問題に取り組む姿勢や解決する能力は、社会に出てから役立つでしょう。

海が課題テーマのプログラムでは、プラスチックごみの問題についての講演を聞き、その後に砂浜で落ちているシーグラスを拾い集め、それでボールペンをつくるアップサイクル体験を行います。修学旅行前に事前学習をしたり、修学旅行先を海外にしてよりグローバルな視点に立ったりと、活用の幅を広げることも可能です。

防災・減災学習

大規模災害が頻繁に発生する状況が影響してか、防災や減災をテーマにした学習プログラムが注目されています。

熊本県では、火の国として火山とともに暮らしてきた経験から、防災を学ぶ修学旅行のプランを提案。自然災害のメカニズムや自然環境、火山との共存の歴史などを阿蘇山火山博物館で学べる内容です。また、熊本地震について、震源となった布田川断層帯を見学したり、大きな被害を被った益城町で地元の人から体験談を聞いたりといったものもあります。

大学・研究所などの専門機関と連携

探究学習を掘り下げていくために、大学や研究所といった専門的な機関と連携し、修学旅行プログラムを開発していくケースがあります。高い専門性によって学習価値をあげることが狙いです。

旅行会社のJTBでは、長崎総合科学大学とタッグを組み、地域課題探究型修学旅行プログラムを開発しました。事前学習による課題やテーマに沿った調査・情報収集、旅行先の現場ではグループワークなどで検証を行い、学校へ帰ってきたら事後学習として振り返りや総括を行います。

プログラムには以下のようなコースが設定され、高校生の系統や属性によってテーマや内容が異なるプログラムを受けることが可能です。

【コース】

  • テーマ「長崎から近代産業のルーツを探る」(対象:普通科文系)
  • テーマ「ロボット・AIが支える未来を考える」(対象:普通科理系)
  • テーマ「さかなと海の環境を学ぶ」(対象:生活総合学科)

地域産業を掘り下げる

地域産業の見学や体験は昔からある修学旅行のプログラムですが、誘致の動機を強固なものにするためには、その知見をさらに推し進めることが重要です。

例えば、山形県は日本一の生産量を誇るさくらんぼについて、摘み取り体験に加え、果樹農業が抱える問題について共有し、どうすれば解決できるかグループで話し合いを行い、それを発表するといったアプローチを展開しています。

さまざまな社会課題を身近に感じ、日常の行動にどう落とし込むかのように、考える力が養われるようなプログラムです。

歴史・文化財を活用

修学旅行の定番、京都の神社仏閣巡りのように、歴史や文化財を観光するプログラムを超体験型に進化させたものがあります。それが「川中島合戦映像制作体験」です。

上杉謙信と武田信玄が激突とした歴史上でも有名な戦いをモチーフにした祭りが山形県米沢市では毎年行われています。本番では約800人の参加者が入り乱れて合戦を行うのですが、修学旅行プログラムではその祭りをテーマに動画を制作するのです。

クラス全員で役者や撮影隊を編成し、およそ10シーンを撮影。ナレーションを入れるなどの編集を行って完成させます。ただ見学するだけでなく、生徒たち自らが歴史に参加する、ユニークな事例です。

地元の交流を通した地域振興

離島での交流体験を介して、地域の魅力や振興について考えるプログラムです。小中学校を対象に、北木島や大飛・小飛島、前島といった岡山県の離島に宿泊するもので、漁業体験や伝統料理づくり、伝統舞踊体験などを通じて島民と交流します。

事後学習として、離島振興についての提案書や滞在中の絵日記を作成し、島への関心や理解を深めますが、島にとっても魅力の再発見や愛着を感じられるものとなるようです。

【体験学習の例】

  • 北木島…底引き網漁、採石場跡地見学、石材加工工場見学、イカダづくりなど
  • 大飛・小飛島…定置網漁、シュノーケリング、タコ漁、手打ちうどんづくりなど
  • 前島…浜辺の探検、塩づくり、イカダ乗り、地元の話を聞くなど

スポーツ分野における地域探究型

探究型修学旅行プログラムのなかには、スポーツ分野に特化したタイプもあります。

教育事業などを行うTOKYO EDUCATION LABはプロサッカークラブ・レノファ山口と連携し、スポーツを通じた地域活性や社会問題について学習するプログラムを展開。選手やスタッフと交流しながら、地域の資源・企業・人材・課題などをともに学び、地域創生のアイデア提案などを行います

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受け入れ体制の整備3選

修学旅行の誘致においては、受け入れ側の環境も重要になります。主要な施設が大人数に対応できるように整備されているのかなど、来てもらう前段階の要素について紹介します

駐車場の整備

修学旅行を地域創生や地域活性の起爆剤として期待している地域も多いと思いますが、主要都市圏や有名観光地とは違い、大型バスが何台も停められる駐車場がないと移動に困難をきたすため、誘致が難しくなる可能性があります。

奄美大島などの離島でも駐車場の整備を行い、観光利便性の向上に取り組んで着るケースが多いです。

雨天・荒天時の代替メニュー

修学旅行の期間中に天候悪化により通常のプログラムを行えない可能性もあります。そんなときに、代替メニューが用意されていると学校側からの信頼を得られ、誘致に有利に働くことが期待できるでしょう。ARやVRの技術を活用したプランや一定時間を過ごすことができるコンテンツを準備すると安心です

北海道三笠市にあるミカサジオパークでは、野外学習が悪天候で中止になった際に活用できるメニューを揃えています

バーチャルツアー

野外博物館エリアなどを写真や動画で疑似体験できます。また、三笠市全体の説明や大地の特徴などを学習できるプログラムを見ることも可能です。

ナゾトキ時間旅行

三笠ジオパークに関するクイズを解きながら地球の歴史について学べます。クイズのヒントが会場に散りばめられているなど、ゲーム性の高いプログラムです。

時間旅行缶バッジ作成

修学旅行で学んだことや楽しい思い出を絵におこし、それを缶バッジにする体験メニューです。台紙に好きな絵を描き、専用の機械で缶バッチを作成します。

アンモナイトペーパークラフト・レプリカ作成

専用キットのあるペーパークラフトやアンモナイトの化石から型をとったレプリカを作成します。色を塗ったり、型に石膏を流し込んだりといった体験を通じてアンモナイトの知識を深められそうです。

ガイドの確保・育成

修学旅行において、ツアーガイドは重要な存在です。前述した「高校生ガイド」のように、プログラムの満足度に直結する要素となっています。近年、観光コンシェルジュが注目されているように、修学旅行誘致でもローカルガイド人材はプログラムの独自性や魅力のカギのひとつです

観光庁では、以下の観光コンテンツでは、コアバリューがガイドのスキルに依存しないとしています。

  • 地域の人しかその良さを知らないスポット
  • 地域のローカルガイド限定で活用が認められるスポット
  • スマートフォンでは探し当てられないストーリー性
  • 地方の農林水産業などの産業や生活文化の体験
  • 地域の人との交流

この内容の多くが修学旅行プログラムに該当するものです。これまでガイド業に関わったことがない人材でも十分にチャンスがあります。

営業・広報のやり方5選

修学旅行を誘致するためには営業や広報活動が欠かせません。旅行を扱う特殊なものではありますが、一般的な商品やサービスと同じです。対象となる教育関係者や旅行会社、自治体に向けた営業・広報のやり方を紹介します。

モニターツアー・下見ツアー

モニターツアーや下見ツアーは、修学旅行プログラムについて、事前に見学・視察できる場を設け、認知や誘致の検討を行ってもらうための機会です。現地の学習プログラムを直接確認してもらい、懸念点や改善点などをフィードバックできます。

通常より低価格、あるいは交通費など一部的に無料で提供するような場合もあるなど、一定のコストはかかりますが、ブラッシュアップにつながるなどメリットも多いです。

具体例(モニターツアー)

  • 主催者:福岡修学旅行支援事業事務局
  • 対象:関東圏および関東以西の教育関係者、旅行会社の修学旅行関係者
  • 視察地:福岡県内のSDGs学習・平和学習施設など
  • 募集人数:20名

現地研修会

現地研修会は、修学旅行を誘致したい側が、選定する側を現地に招いてプログラムを提案するものです。複数の施設を視察してもらい、それぞれのプログラムについて検討してもらう場になります。この研修会の模様を写真などで記録し、外部資料や広報に使用するなど二次展開も可能です。

具体例(モニターツアー)

  • 主催者:千葉県観光物産協会
  • 対象:東北6県、新潟県、福井県、石川県、愛知県、三重県、岐阜県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県の国公立私立中学高等学校の教員
  • 視察地:(公財)かずさDNA研究所、成田空港制限空域、QVCジャパン、IKEA東京ベイ、よしもと幕張イオンモール劇場
  • 募集人数:20名

商談会

修学旅行プログラムについて、合宿プランや企業研修などを取り扱う事業者とともに誘致の商談会を開催するケースがあります

例えば、長野県学習旅行誘致推進協議会事務局は、長野県内の自然環境を活かした体験などが行えるプログラムを紹介するための商談会を大阪で開きました。対象となるのは近畿地区の教職員などです。

具体例

  • 主催者:長野県学習旅行誘致推進協議会事務局
  • 参加者:長野県市町村の観光協会、観光事業者
  • 対象:近畿地区教職員など
  • 内容:各地域説明会、商談会、名刺交換会

教員のための博物館の日

「教員のための博物館の日」は、学校の先生に博物館を知ってもらうためのイベントです。2008年から定期的に開催されているもので、博物館の学習資源を認知してもらいます。

さまざまな博物館で開催され、その施設の紹介がメインになりますが、講演やワークショップ、実験、意見交換などのイベントも行っています。これまで、1日限定のイベントでしたが、2026年は5日間に拡大されました。

プログラムの紹介

修学旅行プログラムの広報、認知拡大の施策として、旅行に関する内容を紹介するケースもあります。紹介するパターンは主に2つです。

ひとつは、モデルコースや人気スポットの情報、体験学習プログラムの内容などを専用のHPやサイトで公開するやり方で、福岡や京都、沖縄、新潟、新潟、三重などの自治体が行っています。動画コンテンツの配信や情報の検索性・利便性の高さなど、充実した内容です。都道府県などの公式観光サイトで修学旅行の情報を掲載しているパターンもありますが、専用サイトを用意することで認知や訴求が強化されます。

もうひとつは、PDFで公開するやり方になります。ガイドブック形式で修学旅行プログラムについて紹介。対象の事業者に向けた内容です。千葉や鳥取などが活用していますが、情報サイトのなかに資料としてダウンロードできるようになっているパターンも多く確認できます。

修学旅行誘致を支援する助成金

全国の自治体で、修学旅行誘致のための助成金制度を用意しているケースも多いです。交通費や体験費、宿泊費など対象はさまざまですが、補助してもらえるので活用しましょう。

助成金の例

ここでは、助成金制度の一例を紹介します。2026年度を対象にしたものが中心ですが、期間については予算の上限に達するまでなどの条件もあるので注意してください。

  • 北海道網走市…貸し切りバス1台につき3万円(市内1泊、市内の観光施設または体験学習1回以上)
  • 秋田県鹿角市…生徒人数×2000円(市内の学校が対象、市内に一泊以上、対象施設2ヵ所以上立ち寄り)
  • 富山県黒部市…1人1泊1000円(上限50万円、県外から黒部市内の民間宿泊施設に宿泊)
  • 岐阜県高山市…1人1000円分のクーポン(旅行会社を通じて実施する富山市内での宿泊を伴う教育旅行)
  • 滋賀県大津市…生徒1人あたり1500円(市内宿泊+有料施設利用が条件)

まとめ

修学旅行誘致の方法18選を紹介しました。誘致に関する具体的な方法を、学習プログラム・受け入れ体制・営業/広報の領域からまとめた内容です。修学旅行のトレンドが、体験型や探究型に移行し、プログラムの内容もそれに対応することが重要になります。また、「SDGs」や「地域」など、ポイントになるキーワードを理解することも大切です。ニーズにあった学習プログラムの開発が誘致のカギを握ります。

ほかにも、駐車場整備や悪天候時の代替メニュー、ガイドの育成といった受け入れ体制や対象者に向けたイベントや情報発信といった広報も必要な施策です。

最後までお読みいただきありがとうございます。記事で紹介した手法を地域の課題解決に活かすための、実践的なプロモーション資料や相談窓口をご用意しています。

この記事を書いた人

あそぶ編集部

集客・回遊・PRの課題を遊びの力で解決するコンテンツを日々発信しています。