「遊休地をどのように活用すればいいか分からない」「地域活性化や収益化につながる事例を知りたい」と考えている方もいるでしょう。
遊休地とは、所有しているものの利用されていない土地のことで、田舎や郊外に多く見られますが、近年は自治体や企業・個人がビジネスや地域貢献に活かす動きが広がっています。うまく活用すれば、交流の場・観光資源・安定収益など、眠っていた土地に新たな価値が生まれます。
本記事では、マルシェや農業、スポーツなどのジャンル別に、遊休地活用の事例18選を紹介します。
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イベント会場として遊休地を活用した事例5選

ここでは、イベント会場として遊休地を活用した事例5選を紹介します。
下北線路祭
「下北線路祭」は、小田急電鉄が下北沢駅周辺の線路跡で開発を進めている「下北線路街」の街開きイベントです。街全体をフェスの会場として活用しています。
下北沢駅前広場はウォータースライダーなどの子ども向けプログラムに、空きスペースはマルシェやフードイベントなどに使用します。また、街中を歩くスタンプラリーを開催し、来場者の回遊を促しているのもポイントです。線路跡地を、街の文化・遊びの場として利用している事例です。
いちはらアート×ミックス
「いちはらアート×ミックス」は、千葉県市原市で3年に一度開催されている大規模芸術祭です。遊休地をアートの力で再生することをテーマに、廃校や無人駅などに現代アート作品を展示したり、商店街や公民館などでワークショップやイベントを行ったりしています。
さらに、芸術祭終了後も作品を常設し、遊休地を地域の観光資源として定着しているのが特徴です。廃校・古民家などの遊休地を、地域の文化を活かす場として有効活用しています。
奈良・町家の芸術祭 はならぁと
「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」は、 奈良県内の歴史的な町並みや空き家となった町家を会場にして、現代アートで地域活性化を図る取り組みです。2011年から始まり、住民・アーティスト・ボランティアが協力して展示の場を作り上げてきました。
運営は地域住民が主体となって担い、アートをきっかけにコミュニティが自立的に街づくりへ関わる仕組みを構築しています。空き家を展示会場として活用しながら、住民参加型の街づくりモデルとして注目を集めています。
GOOD NEIGHBORS JAMBOREE
「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」は、鹿児島県南九州市の廃校跡地「リバーバンク森の学校」で開催された野外音楽イベントです。「みんなでつくる、森の文化祭」をコンセプトに、15年間交流の場として親しまれてきました。
校庭では音楽ライブやダンスパフォーマンス、校舎では陶芸・染色などのワークショップなど、多彩なプログラムを行いました。歴史ある校舎をイベント拠点として長期活用し、来場者を呼び込み続けた好事例といえます。
参考:GOOD NEIGHBORS JAMBOREE 2024
豊郷小学校旧校舎群ライトアップ&イルミネーション
「豊郷小学校旧校舎群ライトアップ&イルミネーション」は、滋賀県豊郷町の「豊郷小学校旧校舎群」を冬季に大規模ライトアップ・イルミネーションで彩るイベントです。閑散期の冬に、旧校舎という遊休空間を活用して観光客を誘致することが目的です。
彦根工業高校の学生によるプロジェクションマッピング投影やクリスマスコンサートなどの関連イベントも実施し、約1か月半にわたり観光資源として活用しています。閑散期の誘客を実現し、遊休空間に新たな魅力を生み出す取り組みです。
参考:豊郷小学校旧校舎群ライトアップ&イルミネーション2025|とよさと旅なび豊郷町観光協会
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観光・宿泊施設として遊休地を活用した事例2選

ここでは、観光・宿泊施設として遊休地を活用した事例2選を紹介します。
別荘「BETTEI」
別荘「BETTEI」は、千葉県香取市で農園リゾートを運営する「THE FARM」が行っている別荘事業です。遊休地を活用して、都市住民向けに「農ある暮らし」の拠点となる別荘の提供を目的としています。
THE FARMでの野菜収穫や温泉チケットのプレゼントなどを行い、二拠点生活を推進しているのがポイントです。関係人口を増やすことで、空き家の再生と持続的な街づくりの実現を目指しています。観光のみならず、遊休地を暮らしの場として活用している事例です。
参考:農園リゾートから全く新しいリゾートライフの提案。 ”農ある暮らし”をもたらす別荘「BETTEI」事業をスタート|THE FARM
高滝湖グランピングリゾート
「高滝湖グランピングリゾート」は、千葉県市原市の旧高滝小学校を活用したグランピング施設です。校庭に3タイプのテントや改装した電車があり、好みに合わせて宿泊施設を選べます。体育館には卓球台やトランポリンなどが設置されており、無料で使えるのも魅力の1つです。レンタサイクルもあり、利用者の利便性を高めています。
また、ホテル予約サイトには、「部屋に1つずつBBQハウスが付いており、プライベート空間でBBQが楽しめた」「子どもが『グランピング楽しかった』と喜んでいた」などの口コミが寄せられています。宿泊やアクティビティが揃った体験型施設として、継続的に来訪者を呼び込む拠点になっているといえるでしょう。
交流拠点・商業拠点として遊休地を活用した事例5選

ここでは、交流拠点・商業拠点として遊休地を活用した事例5選を紹介します
フラノマルシェ
「フラノマルシェ」は、2,000坪の空き地を富良野の食文化が体験できる施設に再生したプロジェクトです。通過型の「道の駅」のような施設ではなく、楽しく交流できる「まちの縁側」を目指しています。施設は大きく「フラノマルシェ1」と「フラノマルシェ2」の2つのエリアで構成されており、それぞれ異なる役割を担っています。
フラノマルシェ1では、物産センターや富良野農協直営の直売所「農産物直売所オガール」などがあり、富良野の食を体験できるのが魅力です。フラノマルシェ2には、全天候型のアトリウム空間が整備されており、コンサートやフリーマーケットなどのイベントが開催されています。
レストラン予約サイトには、「地元の方も観光客も幅広く集える場所だと思った」といった感想が寄せられています。遊休地を商業施設にし、地元住民や観光客の交流拠点として活用している施設です。
参考:フラノマルシェ
がっこうマルシェ
「がっこうマルシェ」は、山形県の旧長井小学校第一校舎の前広場を会場に開催されているマルシェイベントです。旧校舎では地域の人が集うイベントを定期的に開催し、廃校跡地の再生事例として注目を集めています。
旧校舎前の広場では、パンやドリンクのフードブースやクラフト雑貨の販売など、多彩なプログラムを開催しています。また、地元高校生による作品展示や福祉をテーマにしたワークショップなども組み込まれており、市民が主体的に参加できるのが特徴です。廃校を市民と来訪者が共に集まる交流拠点として再生した事例です。
ためしもいち!
「ためしもいち!」は、茨城県水戸市の下市エリアにある空き家を活用し、市民の「やってみたいアイデア」を実際に試せる場として運営されているプロジェクトです。少子高齢化や空き家の増加といった地域課題に向き合いながら、個人の挑戦を後押しする仕組みとして機能しています。
取り組みの特徴は、単なるイベントではなく、市民が主体となってアイデアを実践できる点にあります。空き家を舞台に、小規模でも実際にやってみることで、地域との接点や新たな活動のきっかけが生まれています。例えば、子どもや保護者向けのハンドメイド作品の販売では、保育士としての経験を活かした親子向けアイテムが展開されています。また、地域の日常風景を活かしたポストカードや紙雑貨の販売、北インドの楽器「タブラ」を使った演奏披露など、多様なアイデアが形になっています。
遊休資産である空き家を活用しながら、市民の挑戦と地域交流の場を生み出している点が特徴です。
参考:ためしもいち!
GREENJAM BUILDING
「GREENJAM BUILDING」は、兵庫県伊丹市で無料フェス「ITAMI GREENJAM」を企画・運営する一般社団法人GREENJAMが手がけた複合施設です。10年以上使われていなかったビルを活用し、フェスで生まれたつながりを日常でも継続できる場としてリノベーションされました。
施設内には、絵画・アート教室「創治朗」や古着ショップ「Bomxstore」など、クリエイターによるショップが入居しています。また、「xMOGURA CAFE」では、GREENJAM副代表が店主を務め、クリエイターやファンの集いの場となっています。年に一度のイベントで終わらせず、日常的な交流へとつなげている点が特徴であり、遊休施設を活用してコミュニティの拠点を生み出した事例といえます。
参考:xMOGURA CAFÉ|一般社団法人GREENJAM
みんなのひろば
「みんなのひろば」は、愛媛県松山市で、平面駐車場を活用して整備された広場です。郊外化の進行や空き駐車場の増加で街中の回遊性が低下していたため、市民が交流できる場を作ることが目的でした。
駐車場を広場へ転用し、市民のアイデアをもとに、子どもが中に入ったりくぐったりして遊べる土管、自由に登れる築山、昔ながらの手押しポンプといった、身近で親しみやすい素材を取り入れた空間として整備されています。特別な遊具ではなく素朴なアイテムを使うことで、子どもから大人まで気軽に立ち寄れる雰囲気を生み出しています。
また、無料で開放され、マルシェやアートイベントなどで活用されており、日常的な交流の場として機能しています。市民が滞在できる場ができたことで歩行・滞留者数が増加し、商店街から周辺エリアへの回遊性向上にも貢献しました。遊休地を活用し、街づくりにつながった取り組みといえるでしょう。
農業・自然体験の場として遊休地を活用した事例3選

ここでは、農業・自然体験の場として遊休地を活用した事例3選を紹介します。
ひまわり迷路
「ひまわり迷路」は、一般社団法人さいたま市地域活性化協議会が、さいたま市の見沼田んぼエリアで取り組む遊休耕作地の活用プロジェクトです。「見沼田んぼの景観保全」と「遊休耕作地・耕作放棄地の利活用」のため、2022年から実施しています。
耕作放棄された農地にひまわりを植えて迷路状に整備し、開花期間中は無料で体験できる遊び場として開放します。希望者が参加できる種の収穫や種まき体験など、市民が農地と直接関わる取り組みが行われているのも魅力です。
ポータルサイトの口コミには、「背の高いひまわりがぎっしり咲いていて、季節を感じることができた」「毎年ひまわり畑にきて迷路を楽しんでいる」などの口コミが掲載されています。耕作放棄地を使ったひまわり畑は、地域住民や来訪者が訪れて季節を感じる名スポットとなっています。
参考:活動記録「向日葵(ひまわり)迷路の完成」のお知らせ|一般社団法人さいたま市地域活性化協議会
農地再生チャレンジ
「農地再生チャレンジ事業」は、荒廃した約1,400㎡の遊休農地を再生してじゃがいもを栽培・収穫する、つくば市独自の事業です。農業委員や農地利用最適化推進委員が中心となって農地を再生しています。
再生した農地では市民向けの収穫体験イベントを毎年開催しており、地域住民と農地のつながりも生み出しています。活用後は意欲ある次の担い手へ農地を引き渡す仕組みづくりも行っており、遊休農地を継続的な耕作へとつなげているのが特徴です。じゃがいも栽培を市民参加型の体験や担い手育成につなげることで、農地活用を実現している取り組みです。
みんなのうえん
「北加賀屋みんなのうえん」は、大阪市北加賀屋の工場跡地などを活用した農園プロジェクトです。地域住民が農業を通じて交流できる場をつくり、遊休地に新たなにぎわいを生み出すことが目的です。区画ごとに野菜や花を育てる貸し農園として運営されており、農業体験を通して住民同士のコミュニティ形成の場となっています。
また、さまざまなイベントを開催することで、さらなる地域活性化につながっています。農園に必要なものを専門家監修のもとで作るものづくりワークショップ、参加者みんなで苗を植えて農家の野菜を使ったBBQを楽しむ苗植えイベント、収穫した野菜を地域の人々や友人に配る収穫祭など、農業を軸にした多彩な場が設けられています。農業を体験するだけでなく、人とのつながりづくりも実現している事例です。
スポーツ施設として遊休地を活用した事例3選

ここでは、スポーツ施設として遊休地を活用した事例3選を紹介します。
オガールアリーナ
「オガールアリーナ」は、岩手県紫波町の紫波中央駅前に整備された「オガールプロジェクト」の1施設です。20年以上放置されていた駅前の公有地約10haを活用して誕生しました。
施設の最大の特徴は、日本初のバレーボール専用コートとして建設された点です。オリンピックでも正式採用されている床材を使用し、スクリーンも完備するなど、競技環境として高い水準を備えています。こうした設備を活かし、国内チームや海外代表チームの合宿受け入れ拠点としても機能しています。隣接する宿泊施設「オガールイン」と組み合わせることで、選手が滞在しながらトレーニングできる環境が整っており、スポーツを軸とした施設利用が実現しています。
ストリートスポーツパーク
「ストリートスポーツパーク」は、静岡県沼津市が市内の空き地を活用して整備した、ストリートスポーツが楽しめる無料のスポーツ施設です。遊休地を活用し、市民がスポーツに親しめる場を提供しています。
施設にはスケートボード、BMX、3×3バスケットボールの3種類のコートが整備されており、2025年にはキッズ・ファミリーエリアも新設されてファミリー層も訪れやすくなっています。使用料無料・申込不要で利用でき、照明設備も完備しているため夜間の利用も可能です。遊休地をスポーツ施設として再活用することで、市民の利用やにぎわいを生み出している事例です。
フットサルパーク大安寺
「ファジアーノ岡山フットサルパーク大安寺」は、Jリーグクラブ「ファジアーノ岡山」が遊休地を活用して整備したフットサルコートです。岡山県内で不足していた照明付き芝生グラウンドの整備と、地域住民のスポーツ環境の改善が目的です。
フットサルコート2面とクラブハウスを整備し、レンタルコートとして開放するほか、未就学児から大人までを対象にしたサッカースクールも併設しています。遊休地をスポーツ施設として活用し、競技環境を整えて地域住民の利用を促す取り組みです。
参考:『ファジアーノ岡山フットサルパーク大安寺』 本日オープンのお知らせ|ファジアーノ岡山
まとめ

使われていない土地や施設「遊休地」の活用は、にぎわいや集客につながる取り組みです。マルシェや自然体験など、地域の実情に合わせて実施することで、課題解決にもつながります。
また、継続的に人が訪れることで、住民のコミュニティ形成や地域経済の活性化の促進も期待できるでしょう。本記事を参考に、遊休地の特性を活かした活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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